2011 Fiscal Year Annual Research Report
南米・北パタゴニア氷原の氷河変動と環境変動の対応解析
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22401003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安仁屋 政武 筑波大学, 名誉教授 (10111361)
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Keywords | パタゴニア / 北パタゴニア氷原 / 氷河変動 |
Research Abstract |
2011年度は当初の予定通り氷河の空撮を南半球の冬である7月と夏である2月(2012年)の2回行った。冬の空撮は天候に恵まれ、2006年以来の冬の氷河の写真を撮ることができた。空撮基地であるコジャイケでは前日に降雪があったので、北パタゴニア氷原も雪に覆われて氷河が不明瞭となっていることが懸念された。結果は氷原の東側に分布する氷河の一部は雪に覆われていたが、西側に分布する氷河は裸氷であった。このことは計らずも氷原の西側と東側の気象条件の違いを物語っている。 2012年2月は昨年と比べて異常に天気が悪く、2週間滞在して空撮がかろうじてできる天候は1日だけであった。第1回目は途中で引き返さざるを得なかった。2回目も天気が悪く、エクスプロラドーレス氷河の垂直写真は断念せざるを得なかったが、パイロットの技術によりかろうじて氷原周回の空撮はできた。幾つかの特徴を挙げる。ソレール氷河の末端は前進しており、前面のモレインにくっついていた。コロニア氷河、シュテフェン氷河はかなり後退していた。サン・キンティン氷河の末端分解は続いていた。一方、サン・ラファエル氷河、レイチェル氷河、グアラス氷河は昨年と比べて変化がなかった。エクスプロラドーレス氷河の氷河表面水路は半年前と比べて大きな変化をしており、蛇行水路はカットされていた。現場観察が楽しみであったが、滞在中、社会要求運動による道路封鎖によってガソリンが町に入らなくなり、エクスプロラドーレス氷河へ行くことができなかった。しかし、基本的な氷河末端位置のデータは順調に取ることができた。 2011年2月に空撮したデータを使って2009-2011年の変動を抽出し、2012年2月にニューヨークで開かれたアメリカ地理学会年大会での口頭発表の資料の一部として使用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2010年度は2011年2月に、2011年度は7月(冬)の空撮および2012年2月(夏)の空撮を行い、年々変動に加え季節の違いによる氷河状態の違いを把握することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ必要とする空撮データは順調にとることができており、これからも当初の計画通りの空撮を行い、氷河変動をモニターしていく。
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Research Products
(3 results)