2014 Fiscal Year Annual Research Report
南米・北パタゴニア氷原の氷河変動と環境変動の対応解析
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22401003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安仁屋 政武 筑波大学, 名誉教授 (10111361)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 北パタゴニア氷原 / 氷河変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の空撮と現地調査は2014年12月に行った。幸い天気に恵まれ滞在期間中にエクスプロラドーレス氷河とソレール氷河の垂直空中写真撮影ならびに北氷原の溢流氷河末端の空撮を行うことができた。昨年は天候不順で3回試みたにも関わらず氷原西側に分布している8氷河の空撮ができなかったので、今回21の氷河の空撮ができた意味は大きい。 昨年あるいは一昨年と比べて大きく変化した氷河とその特徴を挙げる。ソレール氷河は2年前から氷河前縁湖の中で見かけの前進を始めたが、今回も前進していた。しかし、末端の中央にある縦の裂け目が広がり、末端全体が脆弱になっていると解釈できる。近いうちに末端が崩壊して後退となることが予測される。コロニア氷河は側方で堰き止めていたカチェット・ドス湖が氷河性決壊洪水を2008年に起こしてから、末端は急速に後退していた。数年前から鳥の嘴のように細まっていた末端部分が2014年12月までに完全になくなり、末端の輪郭は直線状になっていた。この先、どのように末端が後退していくかが興味深い。氷原の南端に位置するシュテフェン氷河は相変わらず大きな氷山を生み出している。末端の位置に今までのような大きな後退はなかったが、その形状・輪郭は大きく変化した。これは末端が前縁湖の中で浮いているからと考えられる。クレバスが縦横無尽に走り氷河上に無数の池があるサン・キンティン氷河の末端の輪郭を正確に決めるのは不可能に近いが、全体としてこの1年の後退量は以前と比べて少なかった。 一方、ほとんどあるいは僅かしか(後退)変化しなかった氷河もある。グロッセ氷河、エクスプロラドーレス氷河、ネフ氷河、カチェット氷河、アルコ氷河、パレッド・スール氷河、ピスシス氷河、サン・ラファエル氷河、グアラス氷河、レイチェル氷河などである。全体として2013-15年の後退速度は以前と比べて遅くなっていた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)