2010 Fiscal Year Annual Research Report
遺跡構造に関する総合的基礎調査法の研究:ベトナムの大規模長期利用遺跡を事例として
Project/Area Number |
22401035
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
西村 昌也 関西大学, 文化交渉学教育研究拠点, 助教 (60469236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 隆夫 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (70115799)
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Keywords | 大型遺跡 / ベトナム / 遺跡構造 / GPS測量 / 地図資料 / 城郭遺跡 |
Research Abstract |
フエ市郊外のホアチャウ城での、測量と小規模試掘調査を4地点にわたって行った。当城郭遺跡は、内塁域と外塁域で構成され、今時調査は内塁域に2カ所、外塁域に2カ所の試掘を行い、城郭建設時代がチャンパ時代の7-9世紀に遡り、11-12世紀まで継続利用され、14-15世紀に、ベトナム側による大規模な再利用があったことを明らかにした。城塁の建設法においても根石を用いた盛り土工法が確認され、内塁の範囲確定にも成功した。また、城郭放棄後の16世紀以降、ベトナム人による本格的な集落形成があったことも明らかにした。 コーロア城郭遺跡のGPS測量機と簡易GPS機器による基礎測量調査を行った。測量は3人でチームを構成し、城郭の造営方位、城塁の幅などが明らかになるように、測量を行った。また、航空写真を入手し、航空写真と測量データの重ね合わせが可能となるように、各写真の中での基準点設置と測量を行った。この結果、3重になった城塁のうち内塁は、短軸が真北方向に造営されていることが明らかとなり、当時、非常に高度な測量技術があったことが明らかとなった。 タインホア省のドンソン遺跡で行った、10カ所に及ぶ遺跡範囲確認のための試掘資料と発掘地点の土器資料の整理を行い、先史土器や陶磁器の碗皿資料の編年関係を明らかにして、地点単位での、BC1000年から10世紀前後の時代までの居住頻度の差異を明らかにした。特に紀元2-300年前後に大規模な土地利用から、集落が川縁に再編・集中化した現象を明らかにした。
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Research Products
(5 results)