2011 Fiscal Year Annual Research Report
一党支配体制下のグッドガヴァナンス ‐中国とインドシナ三国を対象にして‐
Project/Area Number |
22402019
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
五島 文雄 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (90153767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 一幸 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (50374632)
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Keywords | 政治学 / 一党支配体制 / グッドガヴァナンス / 中国:ベトナム:ラオス:カンボジア / インドシナ三国 |
Research Abstract |
現地調査前に講師を招いての研究会を2回、メンバーのみでの研究会を1回開催し、2年目に明らかにすべき重要な課題を絞り込んだ。 9月には全員が一緒に中国・インドシナ三国へ赴き、16日間の現地調査を行った。この調査によって自分の担当国以外の各政権政党の歴史、経済・社会状況についての見聞を広め、共同研究の効果を高めるための基盤を強化することができた。 現地調査では、各国の党・政府機関、研究機関を訪問した。具体的には中国では中国人民大学、北京大学、中国社会科学院、復旦大学、中央党校、雲南大学、ベトナムではホーチミン国家政治学院、社会科学委員会、ラオスでは内務省、カンボジアでは公務員庁、サム・ランシー党本部、行政改革評議会等を訪問した。 調査内容としては、各国の政権政党・政府が「グッドガヴァナンス」をどのように理解し、その実現の為にどのような長期的展望を持ち、当面どのようなこと々重視して具体的な施策を講じているのかを調査した。各国の選挙制度、公務員制度、議会の活動についての理解が相当深まった。 帰国後、4回の研究会を開催して各国担当者が現地調査結果を報告した。その際に、本研究メンバー以外の各国専門家にも知識の提供をして頂く為に本研究に関連した報告をお願いして、我々の研究を深化させるように心がけた。 資料の整理・作成については、メンバーが資料を提供し、具体的作業を学生にアルバイトで作成依頼するものとして、本研究にとって不可欠な各国の法整備関連年表とその主要内容に関する整理をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去2年間、ほぼ申請時の「研究計画」通りに研究会を開催し、現地調査を実施することができ、基本資料の整理も着実に進んでいる。最終年度である今年度にこれまでの研究成果を踏まえ、さらに補足的な現地調査を行い、議論を深めていけば、当初の研究目的は達成できる状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、中国ならびに同国と1991年まで「カンボジア問題」を巡り対立していたインドシナ三国(ベトナム・ラオス・カンボジア)の政権政党について比較研究をしつつ、1989年の米ソ冷戦終結宣言から今日に至る約20年間の中国とインドシナ三国における共産主義体制の変化と現状の全体像を明らかにすることにある。これまでの研究では各国政権政党についての比較研究はかなり進展したものの、中国とインドシナ三国における共産主義体制の変化と現状の全体像を明らかにする点、特に4ヶ国政権政党の相互影響力ついては研究・調査が不十分である。後者の問題は研究計画においても本年度の主要な課題の一つであるが、これまで以上に、メンバー相互の情報交換・意見交換を強化することで研究目的を達成したいと考えている。
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Research Products
(4 results)