2012 Fiscal Year Annual Research Report
スマトラ島沖地震被災地における都市部近郊の大規模再定住地の居住環境に関する研究
Project/Area Number |
22404017
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
山本 直彦 奈良女子大学, 研究院生活環境科学系, 准教授 (50368007)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 再定住地 / 住宅供給 / インド洋大津波 / バンダアチェ / インドネシア |
Research Abstract |
H24年度は、連携研究者とともに、バンダアチェ市のパンテリーク再定住地で聞き取り調査を行った。同時に過年度に取得した仮設居住地の入居者名簿の分析を行った。その要点は以下の3点にまとめられる。 ①借家人の住宅取得権利は、改正法令21番/2006の発令によって初めて認めらた。しかし、同法発令以降も、復興再建庁は大規模な再定住地を計画中であったため、借家の現地再建には消極的であった。 ②仮設居住段階において、市内最大規模のロンラヤ仮設バラックの入居者は、2007年3月の入居者名簿によると、その9割以上が従前に市内沿岸の区に住んでいた。また全入居者の7~8割は、従前は借家住まいであり、ロンラヤ仮設バラックには、現地再建による住宅供給を得られなかった借家人層が最後まで残ったことが明らかになった。残りの入居者も、従前居住区からは、津波で土地が滅失した可能性が高いと判断された。 ③パンテリーク再定住地の入居者の9割以上は、被災前に市内に住んでいた。入居者は高い割合で、従前に持ち家であった。持ち家層の転入理由には土地が滅失した以外の理由が多くを占め、再定住地の性格としては特殊である。 パンテリークでのコミュニティ活動はゴトンロヨンにしてもプンガジアンにしても中国再定住地に比べるとかなり活発で、永住希望理由としても居住者同士の信頼関係をあげるものもいる。ただし、アリサンは当初行っていたものをやめてしまったり、あっても日常生活の多忙を理由に不参加などの世帯が散見される。恒久住宅の増改築状況をみても、パンテリークでは8/13世帯が何かしらの増改築を行っており、生活がすでに復興段階を過ぎて安定段階に入っていると判断される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現地研究協力者(シャクワラ大学)および連携研究者の効率的な参加によって、当初の計画以上に順調に進展している。H25年5月10日には、本研究の2本目の査読論文を日本建築学会計画系論文集に投稿済みである。またその一部を、H25年8月の日本建築学会大会において口頭発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度は9月に現地調査を予定している。研究代表者、連携研究者1名、研究協力者2名程度が参加予定である。すでに投稿済みの査読論文の内容の補足調査と確認を行い、また、今後の研究推進のために調査地と同じスマトラ島の他の被災地も視察予定である。
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Research Products
(2 results)