2011 Fiscal Year Annual Research Report
スラムコミュニティにおけるマネジメント型開発の研究
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22404019
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
藤井 敏信 東洋大学, 国際地域学部, 教授 (50165338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋谷 公博 東洋大学, 国際地域学部, 助教 (60511459)
川澄 厚志 東洋大学, 国際地域学部, 助教 (00553794)
小早川 裕子 東洋大学, 地域活性化研究所, 客員研究員 (90459842)
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Keywords | コミュニティ開発 / スラム / マネジメント / アジア都市域 / 住環境整備 |
Research Abstract |
年度を通じて、対象とした各地区で調査を実施した。主な論点と課題を次に示す。 1.フィリピン・セブ調査:スクウォッター、ロレタはその中心に墓地があり、これらを囲むように住宅が建つ不法占拠地区である。NGOが集合住宅の建設を担当し、6棟を建設する予定であるが、その内1棟の集合住宅が完成まじかであった。1ユニット25m2、平行する外廊下に挟まれた背割り型で居住上換気が課題である。入居者の選定に際しては一定の労働時間(2000時間)を建設工事に投入する義務づけなど、規約をもとに行う予定である。住宅の建設・運営マネジメントについてはNGOのノウハウがあるが、それが対象地域全体とどのようにつながるかが課題である。 2.台北市市街地の用途混合地区調査:台北市の4つの地区を選定して、混住環境の質的評価において用途混合率と住民の満足度の関係性を限定的に考察している。今後、質的評価により「物理的空間」と「生きられる空間」(エドワード・レルフ、1999)の区別を明らかにし、具体的な混住環境空間の提案につなげるためには、地域形成の歴史的背景・動向や住民の社会的関係等を地域のマネジメントと関連させつつ捉えていく必要がある。 3.ウランバートルのゲル地区:現在アジアに展開するACCAプログラムをゲルコミュニティ開発に適用する活動を行っているNGOとその管轄するコミュニティを調査。住民の貯蓄活動を組織し、行政の施策と協調しつつ環境改善を行っている。住民の組織化という点で、これまでノマド(遊牧)生活による文化が圧倒的であったので、ゲル市街地でも、個別的な生活が基本で、組織化がなかなか困難であること、体制改革に伴う土地の私有化により、定住先による生活格差が目立つようになったことなどから、従来と異なるアプローチが求められている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象とした調査地域と十分な連絡がとれており、資料の収集も順調に行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
コミュニティのマネジメントは、そのコミュニティの形成過程によって異なる形態となるので、主体の意向や、歴史的背景などを今後精査し、マネジメントの類型化に向けて作業を進めていく。
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Research Products
(2 results)