2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22406001
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
塚本 佐知子 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (40192190)
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Keywords | インドネシア / 北スラウエシ州 / 海洋無脊椎生物 / 海綿 / ホヤ / 細胞毒性 / スクリーニング / 真菌 |
Research Abstract |
インドネシアの北スラウエシ州において、2010年9月9日~19日の日程で海洋無脊椎生物の採集と生物からの真菌の単離を行った。日本側のメンバーは、塚本佐知子(熊本大学・教授)、浪越通夫(東北薬科大学・教授)、鵜飼和代(東北薬科大学・助教)、中村優一(熊本大学・修士1年)、インドネシア側から、サムラトランギ大学のR.E.P.Mangindaan、H.Rotinsulu、D.Wewengkangが調査研究に加わった。そして、海綿やホヤなどの無脊椎動物を257種類採集した。採集した生物は、直ちにEtOH漬けにし、順次、サムラトランギ大学においてEtOH抽出している。ある程度の数がまとまった段階で、日本に輸送する予定である。そして、それらの一部を用いてスクリーニング用サンプルを調製し、各種スクリーニングを行う。一方、2006年12月にマンテハゲ島で採集した海綿Aaptos suberitoidesから、プロテアソームのキモトリプシン様作用を阻害する物質としてaaptamine、isoaaptamine、demethylaptamineを単離した。これらの化合物は、プロテアソームのキモトリプジン様作用をIC_50 1.6-4.6μg/mLで阻害した(Bioorg.Med.Chem.Lett.2010)。また、2006年9月にレンベー海峡で採集した海綿Xestospongiacf.vansoestiからsalsolinolの新規関連化合物としてnorsalsolinol、cis-4-hydroxysalsolinol、trans-4-hydroxysalsolinolを単離した。これら3種類の化合物が天然資源から得られたのは、初めてである。Salsolinolとnorsalsolinolは、プロテアソームのキモトリプシン様作用をIC_50 50および32μg/mLで阻害した(Chem.Pharm.Bull.2011)。
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