2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22406001
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
塚本 佐知子 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (40192190)
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Keywords | インドネシア / 北スラウエシ州 / 海洋無脊椎生物 / 海綿 / ホヤ / 細胞毒性 / スクリーニング / 真菌 |
Research Abstract |
インドネシアの北スラウエシ州において、平成23年9月6日~15日の日程で海洋無脊椎生物の採集と生物からの真菌の単離を行った。日本側のメンバーは、塚本佐知子(熊本大学・教授)、加藤光(熊本大学・助教)、中村優一(熊本大学・修士2年)、工藤遥大(熊本大学・修士1年)、そしてインドネシア側から、サムラトランギ大学のR.E.P.Mangindaanが調査研究に加わった。今回の採集では、海綿やホヤなどの無脊椎動物を195種類採集した。採集した生物は直ちにEtOH漬けにし、順次、サムラトランギ大学においてEtOH抽出している。ある程度の数がまとまった段階で、日本に輸送する予定である。また、採集した生物(93種類)から448種類の真菌を単離した。現在、熊本大学において無脊椎動物および真菌の培養液からスクリーニング用サンプルを調製し、各種スクリーニングを行っている。スクリーニングの種類は、細胞毒性、抗菌活性、ユビキチンープロテアソームの各ステップに対する阻害活性などである。そして、平成18年12月にマンテハゲ島で採集した海綿Leucetta microraphisから、3種類の抗菌物質を単離した。構造決定の結果、新規物質spironaamidineと既知物質naamidine Hおよび(9E)-clathridine 9-N-(2-sulfoethyl)imineであった。Spironaamidineは、非常に特異なspiroquinone構造を有する化合物であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、東北薬科大学の連携研究者が震災の影響のため採集に参加できなかったが、ダイビングにより採集した海洋無脊椎動物の数は例年に比べて遜色ない数であった。その一方で、真菌の採集を丁寧に行った結果、これまでで最も多い数の真菌を単離する事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
熊本大学で行っている各種生物活性試験の結果を参考にして、有望な生物資源については本年度も収集を行う。GPSで正確な位置を記録しているので、同じポイントでの採集が可能である。
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