2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500017
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中山 茂 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (00112714)
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Keywords | 量子情報工学 / 断熱量子計算 / NP完全問題 / 量子コンピュータ / 組み合わせ最適化問題 / ドイチ問題 / 充足可能性問題 / 量子もつれ状態 |
Research Abstract |
量子コーンピュータの研究が注目されているが、特に、量子アルゴリズムの新しい手法として最近注目されている断熱量子計算(Adiabatic Quantum Combutation)がある。本研究では、特に、断熱量子計算に着目して、NP完全の充足可能性問題(SAT)やNP困難なナップザック問題、巡回セールスマン問題、集合2分割問題などの組み合わせ最適化問題に適用して、その効果を検証するシミュレーション実験を行い、計算量の少ない効率的な解探索方法を研究した。 初年度は、隠れ部分群問題に総括される代表的な量子アルゴリズムとしてドイチ・ジョザ問題やサイモン問題、ベルンシュタイン・バジラニ問題のアルゴリズム、そして、ショアの因数分解アルゴリズムがあるが、特に、最も量子アルゴリズムの基本となるドイチ問題とドイチ・ジョザ問題、充足可能性問題(SAT)における断熱量子計算で一定の成果が得られた。断熱量子計算で用いられるステップ・パラメータを非線形関数に適応することにより、解探索に高い確率で得ることが出来た。また、量子もつれ状態を考慮した研究も行った。 隠れ部分郡問題の最も基本となるドイチ問題とドイチ・ジョザ問題、充足可能性問題(SAT)で成果が得られたことは、それを基本とする他の問題にも適応可能で、その波及効果は大きいと期待され、今後の量子ビット数を増やして、同じ効果が得られるか確かめる必要がある。現在、NP完全の充足可能性問題(SAT)でビット数を上げて分散並列処理を用いて並列量子コンピューティングに挑戦しており、その成果が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
量子アルゴリズムの基本となるドイチ問題とドイチ・ジョザ問題、充足可能性問題(SAT)における断熱量子計算で一定の成果が得られた。断熱量子計算で用いられるステップ・パラメータを非線形関数に適応することにより、解探索に高い確率で得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
ドイチ問題とドイチ・ジョザ問題、充足可能性問題(SAT)で成果が得られたことは、それを基本とする他の問題にも適応可能で、その波及効果は大きいと期待され、今後の量子ビット数を増やして、同じ効果が得られるか確かめる必要がある。現在、NP完全の充足可能性問題(SAT)でビット数を上げて分散並列処理を用いて並列量子コンピューティングに挑戦している。
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