2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500043
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
本多 弘樹 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (20199574)
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Keywords | 計算機システム / グリッド / 並列処理 / HPC |
Research Abstract |
計算グリッドは高性能計算環境として魅力的なものであるが,必ずしも一般ユーザにとって使いやすいものとなっていない.そこで本研究では,アプリケーション実行時におけるサーバの適切な動的切り替えを自動化するシステムを構築するために必要な機能を明らかにし,これを実現するミドルウェアを開発することを目的とする.具体的には,実用的な自動サーバ切り換えシステムを構築するために必要な機能を明らかにするとともに,GridRPCを対象として当該システムを実現するミドルウェアを開発し,その有用性を明らかにする.平成23年度は新規に開発すべき機能の検討し実現することを計画していた. そこで本年度は,グリッド環境において,ローカルサイトで発生したタスクをリモートサイトのサーバ群に割り当てる際に必要となるスケジューリング手法を検討し,開発を行った.本手法の特徴は,ボトルネックとなりうる集中管理のスケジューラを用いず,各サイトが分散してスケジューリングを行う点にある.具体的には各サイトのスケジューラは自サイト内の資源だけを管理し,サイトスケジューラ間の相互通信によって連携させることで,自サイトより低負荷なサイトを探索し,タスクを割り当てるものである.連携の際の探索方式としていくつかの方式を考案し,シミュレータ上で実験を行った結果,提案方式は従来方式に比べ,ジョブの平均待ち時商を短縮できることを確認した. なお,本研究課題に関連して修士課程学生の研究指導を行い,当該学生は「大規模なグリッド環境におけるジョブスケジューリング手法に関する研究」と題する修士論文を作成し修士学位を取得した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
必要となる機能をひとつひとつ洗い出し,地道に検討・開発が進められている.
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Strategy for Future Research Activity |
サーバ切り替えの自動化によりユーザ負荷を軽減するという本質的な部分については,これまで通り推進する.一方,グリッドミドルウェアのインストールのための作業負荷が大きいことがグリッドの利用の敷居を高くしていることも明らかになってきているので,その負荷の軽減方策たとえばPC上でWebを用いた方法なども検討する必要があると考えられる.
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