2012 Fiscal Year Annual Research Report
映像修辞に基づく広告映像制作支援情報システムに関する研究
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22500102
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
川村 洋次 近畿大学, 経営学部, 教授 (00319782)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 商学 / 美学 / コンテンツ・アーカイブ / 広告映像 / 映像修辞 / 演出技法 / 映像データベース / 情報システム |
Research Abstract |
研究代表者は、「映像修辞」(高度なクリエイティブ・ノウハウ)に基づいて広告映像制作を支援する情報システムの構築を目指している。本研究は、まず、ビールを対象に、様々な演出技法操作を行った映像ショットを撮影し、新たに撮影した映像ショットにインデックスを付加した映像データベースを整備する。次に、映像データベースを基に演出技法・映像修辞を操作した広告映像を生成し、その効果について視聴実験する。そして、演出技法・映像修辞の操作と効果の関係を分析し、広告映像のクリエイティブ・ノウハウの抽出・体系化を図る。 平成24年度は、広告映像の演出技法操作の視聴実験を行った。 まず、広告映像の視聴実験環境の整備として、広告映像視聴実験のための実験装置を購入した。購入した実験装置(ノートパソコン)に、平成21年度に開発した実験システムのソフトウェア、平成22~23年度に撮影した映像ショットと作成したインデックスを実装した。 次に、演出技法の操作による効果の変化の実験を行った。演出技法に関わる設定(広告内容・演出要素に関わる165種類のキーワード、カメラのズームと固定)の入力を基に、それに基づく新規広告映像作品を被験者6人に提供し、それに対する評価(興味、購買意欲)、効果キーワード(興味を持ったところ、購買意欲がそそられたところ、気がついたこと)を収集した。 そして、演出技法の操作による効果の分析を行なった。実験結果を基に、演出技法と効果の関係を分析し、以下の仮説を抽出することができた。購買頻度が低い人(あるいは女性)は、「海」「食」「青空」の演出要素、「固定」のカメラに興味を持つ傾向がある。購買頻度が高い人(あるいは男性)は、「爽やか」「美味」「水着」「緑」「暗い」の演出要素に興味を持つ、「ズーム」のカメラに興味・購買意欲を持つ傾向がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しているので、研究計画通りに研究を進める。 本研究では、当初、ビール、コーヒー、お茶、携帯電話及びパーソナルコンピュータを対象に、様々な演出技法操作を行った映像ショットを撮影し、新たに撮影した映像ショットにインデックスを付加した映像データベースを整備する予定であったが、平成22年度の研究を踏まえ、様々な演出要素を変化させることに重点を置くこととした。平成22~23年度においては、商品ジャンルをビールに絞り、仮想商品「refresh」を基に、様々な演出要素を変化させた映像ショットを撮影し、映像データベースを整備した。 平成24年度においては、ビールの映像データベースを基に視聴実験を行ったので、平成25年度もビールの映像データベースを基に視聴実験を行い、検討を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、広告映像の映像修辞操作の視聴実験と広告映像のクリエイティブ・ノウハウの体系化を行う。 1)映像修辞の操作による効果の変化の実験 平成24年度に実施した実験結果を基に、主要な広告内容技法、演出技法、編集技法を組み合わせた設定を基に、それに基づく新規広告映像作品を被験者に提供し、それに対する評価・効果キーワードを収集する。被験者は研究補助10人が行う。 (設定504種類、1種類当り10分分析、時給950円、被験者10人→研究補助費798千円) 2)広告映像のクリエイティブ・ノウハウの体系化 平成24~25年度における演出技法・映像修辞操作の視聴実験を踏まえ、技法・修辞と効果の関係を分析し、広告映像のクリエイティブ・ノウハウの抽出・体系化を図る。
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Research Products
(2 results)