2010 Fiscal Year Annual Research Report
望ましい交通流の実現に向けた情報ダイナミクスの解析と設計
Project/Area Number |
22500120
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
荒井 幸代 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10372575)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 忍 東京大学, 工学(系)研究科, 教授 (90201053)
丸山 喜久 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70397024)
|
Keywords | マルチエージェント / 戦略的意思決定 / 強化学習 / 認知モデル / 複雑ネットワーク / リスク評価 / 安全システム |
Research Abstract |
本課題の目的は,交通網,運転者,情報の3つを有機的に結合し,物理的制約の限界を、運転者の適切な意思決定によって緩和する方法を示すことにある.本手法は"情報"によって意思決定をコントロールする点が特徴である.本課題におけるアプローチは以下の3つの副問題を柱として,それぞれ進めてきた.平成22年度の成果は以下のとおりである. I. 環境入力範囲が意思決定に与える影響の分析 運転者の情報入力範囲を特定する方法:環境変化における情報の信頼性を評価し,運転者が提供情報から取捨選択する規範の獲得法として小脳モデル(CMAC)に基づいた学習法を提案した.本手法は系全体を間接的に見越した行動を選択することを可能にした. II. 意思決定規範の相違が系全体の挙動に与える影響の分析 意思決定者は周辺の意思決定者の行動に影響を受け,自らの利得(交通では旅行時間の最小化)を最大にする特性があると仮定する.この仮定の下で意思決定者を繋ぐネットワーク構造とゲーム理論による利得関係を導入して系挙動の収束先を考察した.同時に系の遷移を創発する学習モデルの準備を行った. III. 運転者への情報提供を制御設計法:各運転者の旅行時間の最小化と系全体の挙動(停車時間の総和の最小化)の2目的のパレート最適解を実現する適切な情報提供(配分,タイミング)法を強化学習を用いて効果的な情報提供法を獲得した.また,情報提供によって生じるジレンマやパラドックス解消策としてコミュニティネットワーク構造の改変法(ロコミモデル),および,適切な司令塔となりうるエージェント(信頼できる住民:ステークホルダ)の特定法の導入の効果を示した.以上の成果は,原著論文として投稿している.
|
Research Products
(14 results)