2010 Fiscal Year Annual Research Report
口唇周辺から頸部にかけての表面筋電に基づく黙声認識に関する研究
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22500157
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
永井 秀利 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 助教 (60237485)
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Keywords | 黙声認識 / 無発声音声認識 / 表面筋電 / 音声認識 / 筋電位 |
Research Abstract |
まずは連続黙声認識に対して,従来の研究で用いていた黙声母音認識手法を単純に援用することを試みた.この試みでは良い結果は得られなかったが,連続黙声認識を実現するために解決すべき課題に関する重要な知見を得た 他の関連研究とは異なり,無理に口唇形状を形作らない自然な発声を対象としているのが本研究の特徴であるが,自然な連続発声では,他の研究が前提としている母音の定常性が全く期待できないことが明らかとなった.アクセントの有無による強弱変動も著しく,表面筋電信号の強弱だけを用いるのでは十分な認識精度を得ることは極めて困難であると言える そこでウェーブレット解析を用いて信号を詳細に分析した結果,ノイズと同レベルの極めて微弱な信号の中にも非常に短時間で発生する特徴が存在することを見出した。これは,筋電計測の位置や数の決定に大きな影響を及ぼす結果である.また,ウェーブレット解析結果の時間一周波数平面上で,信号が強い領域が実際の発声開始前から低い周波数帯域に発生し,発声開始の瞬間に向かって高い周波数帯域へと推移していく傾向も観測した.この傾向は発声の準備活動に相当するものと思われ,直前の発声活動と重なって出現していた こうした特徴を単純にウェーブレット係数の大きさで捉えようとすると,信号強弱で特徴を捉えようとした際と同じ問題を生じる.そこで本研究では,一つの手法として,ウェーブレット係数の重心推移法(Center of Balance Transition)と呼ぶ手法を提案した.本手法は,信号強弱との相関性が弱いために強弱に基づく特徴と併用することが可能であり,今後の研究発展に重要な意義を持つものと考える
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Research Products
(3 results)