2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500171
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
市村 直幸 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (50356466)
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Keywords | 特徴抽出 / 画像の対応付け / 並列処理 / GPU / 画像認識 |
Research Abstract |
平成22年度では、GPU(Graphics Processing Unit)を用いた局所不変特徴量抽出アルゴリズムの改良および、そのアルゴリズムに基づくオンライン画像処理システムの構築を行った。特徴量抽出アルゴリズムは、局所領域の設定処理と記述子(特徴ベクトル)の計算から成る。従来のアルゴリズムの一問題点は、全計算時間の6割以上が記述子の計算に費やされていることであった。この問題が生じる要因の一つは、局所領域の大きさがそのスケールにより異なるため、記述子の計算が並列処理との適合性が高い局所演算から構成されにくいことであった。 上記の問題を解決するため、記述子の計算に方向マップと呼ばれるデータ構造を導入した。方向マップの導入により、記述子を構成する画像の輝度勾配の方向ヒストグラムの計算がより並列処理に適合したものとなる。具体的には、まず、輝度勾配の方向ヒストグラムにおいて離散化された輝度勾配毎に、輝度勾配の大きさを保持する2次元配列である方向マップを構成する。この方向マップに対し、ガウシアンフィルタを施し、局所的な輝度勾配の大きさの重み付き和を全画素に対して一括して求める。その重み付き和は、記述子を構成する方向ヒストグラムへの投票値である。よって、記述子の計算は、ガウシアンフィルタを施した方向マップをテーブルとする、投票値のテーブルピックアップにより実現できる。上記の操作は、ガウシアンフィルタとテーブルピックアップという、並列処理との適合性が高い処理から構成されるため、GPUによる演算効率が向上することが期待された。実験の結果、対CPU比で約34倍(従来は約18倍)、従来のアルゴリズムのGPUによる実装と比べても約2~10倍の速度で特徴量抽出が可能なことを明らかにした。この結果は、並列処理に適合するような演算が行えるデータ構造を導入することの重要性を示すものとして、大きな意義があると考えている。さらに、方向マップを用いたアルゴリズムに基づき、オンライン画像処理システムを構築し、画像の解像度がQVGAの場合、毎秒約40フレームの速度で特徴量抽出が可能なことを示した。
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Research Products
(6 results)