Research Abstract |
Brain-Computer Interface (BCI)は,思考するだけで車椅子制御や他者との意思疎通を可能にする技術である.我々はこれまでに,BCIの思考判別率を改善するための誤り制御手法である,信頼度に基づく自動再送要求(RB-ARQ)を提案してきた.本研究は文字入力BCIシステムの性能改善と日本語入力BCIシステムの開発を目的とする.主な理由は,当該文字を想起するだけで文宇入力を可能とするP300 spellerにRB-ARQが適していると考えられること,そして,我が国における文字入力型BCI研究が遅れていることである.本年度は,P300 spellerにRB-ARQを適用し,従来手法である加算平均法に対するRB-ARQの優位性を,P300 spellerにおいても示すことができた.さらに,RB-ARQと誤り関連電位に基づく誤り訂正の組み合わせ手法を提案し,オフライン実験によりその有効性を示した.また,RB-ARQに,選択的自動再送要求の考えを導入した信頼度に基づく選択的自動再送要求(RB-SR-ARQ)を提案した.日本語入力システムに関しては,P300 spellerを用いて入力されるアルファベットから予測される変換候補を提示し,P300 spellerを用いて数字を入力することで,当該変換候補を選択させるシステムを開発した.提案システムを用いることで,約30%の入力時間の削減が可能となることを示した.日本語入力システムの更なる性能向上のためには,予測変換精度やインターフェイスの改善が重要と考える.一方,簡易EEG計測器であるNIAを新たに購入し,その性能評価を行ったが,所望の性能を確認することができなかった.別の簡易EEG計測器の導入を検討中である
|