2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500206
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
伊達 章 宮崎大学, 工学部, 准教授 (60322707)
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Keywords | 数理モデル / 確率的情報処理 / ベイズ推論 / 確率推論 / 事後確率 / 隠れマルコフモデル / マルコフ確率場 / パターン情報処理 |
Research Abstract |
ベイズ推論の本質の一つは,データを観測した後の事後確率分布の利用にあるが,その分布の構造については不明な点が多い.この点を調べることが本研究の目的である. ベイズ推論では,あらかじめ対象の規則性を反映した確率分布を構築しておく必要がある.観測データYに対する解釈用の内部(隠れ)変数をXとすると,これは確率分布P(X)とP(Y|X)の設計にあたる.これらP(X),P(Y|X)の設計が確率モデルの開発においては最も重要である.確率モデルを応用する場面では,データYを観測した後の事後確率分布P(X|Y)を利用し,もっともらしい解釈Xを求めることが求められる.ここで,事後確率分布には奇妙な構造が潜んでいる可能性があり,たとえば事後確率を最大にするような解釈が,自然でない場合がある.初年度である平成22年度においては,単純な隠れマルコフモデルを用い,コンピュータシミュレーションによりこの点を調べた.具体的には,1.事後確率を最大にする解釈Xmapをあらかじめ求め,2.事後確率分布にしたがう多数のサンプルXを正確に生成.3.それぞれのサンプルに近い距離にある近傍状態について,事後確率を積分した値を求め,4.事後確率が最大となる状態Xmapが,事後確率を積分した値が最大になるサンプル点に含まれているかどうかを調べた(一致しなければ事後確率分布に奇妙な構造が存在する).その結果,単純な隠れマルコフモデルの場合でも,事後確率分布に奇妙な構造が存在する場合があることがわかった.
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Research Products
(4 results)