2012 Fiscal Year Annual Research Report
文字列データ解析システムの構築と平安朝文学の伝本と表現に関する総合的研究
Project/Area Number |
22500236
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
福田 智子 同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (50363388)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 平安 / 和歌 / 物語 / 六帖 / 源氏 / 校本 / データマイニング / 文字列解析 |
Research Abstract |
『古今和歌六帖』(平安中期成立とされる類題和歌集)と『源氏物語』を主たる研究対象とし、平安朝文学の伝本と表現に関する考察をおこなった。 『古今和歌六帖』については、竹田正幸氏・南里一郎氏との共同研究により、和歌用デジタル校本システムを開発しているが、今年度はさらに、主要伝本10本の本文や書き入れを対象とした、電子テキストのタグ付け規則の改良を行った。伝本の墨付きの現状を、より論理的に表記する方法を案出し、デジタル処理が可能な段階に至った。これを用いて、出典未詳歌の注釈を継続しておこない、また、伝本研究の一端を研究論文として発表した。ただし、作成したデータとツールを用いた研究は端緒に就いたばかりであり、今後さらに、データの修正やツールの改良、そして、それを用いた伝本と表現の研究を進めていく必要がある。 また、『源氏物語』については、坂田桂一氏作成の散文用校本作成支援ツールを用いて、『CD-ROM 角川古典大観 源氏物語』に収録されている大島本・陽明文庫本・保坂本・尾州家河内本の翻字テキストを対象に、データ処理をほぼ完了した。これら4本については、『源氏物語』の巻ごとに、表記や語句の本文異同を詳細に把握することができる。また、特に別本を有する巻については、影印から翻字して電子テキストを作成し、校本データとして加えたものもある。このツールは、現時点でも20本の伝本を処理することができるため、今後も伝本を追加しながら校本を作成していくことが可能である。また、深川大路氏によるエクセルのマクロを用いた異文箇所の数値化、および矢野環氏の提案による SplitsTree による本文系統の視覚化といった、本文異同を把握する一連の手法を確立した。 なお、『順百首全釈』(筑紫平安文学会著、風間書房、2013年5月刊行予定)には、文字列解析ツールe-CSA(竹田氏作成)を用いた解説を収めている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)