2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500256
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福嶋 雅夫 京都大学, 情報学研究科, 教授 (30089114)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 相補性 / 最適化問題 / 均衡問題 / ゲーム理論 / 変分不等式 / 2次錐計画問題 |
Research Abstract |
相補性は最適化問題の最適性条件やさまざまな均衡問題の定式化において本質的に重要な役割を果たすものであり,最適化・数理計画における最も基本的な概念のひとつである.本研究は,相補性とそれに関連する変分不等式など各種の均衡問題・最適化問題に対して堅固な理論的基盤に立脚した実用的な手法を開発することにより,最適化理論の応用領域の拡大に寄与することを目指している.平成24年度に得た研究成果は以下のとおりである. (1)非対称固有値相補性問題に対する手法の開発.海外共同研究者のJ.J.Judice(ポルトガル・Coimbra大学教授)と連携して,非対称行列を含む固有値相補性問題について研究を行った.特に,この問題を変分不等式問題に再定式化し,さらに変分不等式問題に対する正則化ギャップ関数を用いて,最適化問題として定式化することにより,問題の解を計算する方法を開発した. (2)一般化ナッシュ均衡の計算.海外共同研究者のC.Kanzow(ドイツ・Wuerzburg大学)らと連携して,一般化ナッシュ均衡問題を不動点問題に定式化し,一般化ニュートン法を適用して均衡解を計算するアルゴリズムを開発した.その研究に加えて,一般化ナッシュ均衡問題に対する平滑化手法に基づくアルゴリズムを開発した. (3)錐相補性問題とそれに関連する問題に対する手法の開発;不確実性下でのロバスト・ナッシュゲームを半正定値相補性問題として定式化し,その均衡解を計算する方法を提案した.また,2次錐を含むいくつかの最適化問題に対する新しい解法を開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の24年度の研究実施計画にあげた3つの項目(1)固有値相補性問題に対する手法の開発,(2)錐相補性問題および錐制約最適化問題に対する手法の開発,(3)一般化ナッシュ均衡の計算と応用,は「研究実績の概要」で述べたように,いずれも順調に成果を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで概ね順調に研究が実施されており,今後もこれまでと同様,海外研究協力者らと協力して,着実に研究を遂行していきたい.
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