2013 Fiscal Year Annual Research Report
確率過程に対する統計的漸近理論と損害保険数理への応用
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22500258
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
阪本 雄二 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (70215664)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 漸近展開 / 高精度確率近似 / 損害保険数理 |
Research Abstract |
マルコフ性を持つ確率過程に対するM推定量の確率分布に対して,高精度な近似を行うため,2次のエッジワース展開を求め,その近似精度を検証した.その時,エッジワース展開の展開係数を偏微分方程式の差分法やモンテカルロ法により求め,その精度と計算時間の比較を行った.また,係数に対する近似誤差が確率分布の近似に及ぼす影響に関して,観測時間の長さを変化させて実験を行った. さらに,M推定量の分散を母数の関数として陽に表し,その推定量を構成した.求められた分散の推定量を用いて,M推定量をスチューデント化し,その確率分布の2次のエッジワース展開とコーニッシュ-フィッシャー展開を求めた.得られたパーセンタイルの推定量を用いて信頼区間を構成し,その被覆確率をモンテカルロ法により検証した.モデルにおける母数の非線形性により,近似誤差が大きくなることがしばしばあることが確認された. 損害保険数理における破産確率のルンドベリ上限に対して,その高精度修正を検討した.高次エッジワース展開により修正を試みたが,十分な結果が得られなかった.ルンドベリ上限自身の乖離度が比較的小さいモデルに対して,その推定量と分散の推定量を導出した.そのスチューデント化統計量の漸近展開を求め,ルンドベリ上限の高精度信頼区間を構成した. 離散観測に関する推定量の確率分布に対する考察や検定問題への応用に関する考察は今後の課題である.また,ビュールマンモデルに関する信頼度に関しても,数値シミュレーションの結果,著しい発見はなかった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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