2011 Fiscal Year Annual Research Report
新たなる数理手法を導入した有向グラフのノードに関する様々な特性の導出法について
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22500268
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
保福 一郎 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 教授 (10229205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 健治 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (40469573)
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Keywords | 有向グラフ / ランキング / 情報検索システム |
Research Abstract |
本研究の目的は,有向グラフのノード間の様々な関連性を考慮したグラフ構造を解明することである.そのためにはまず次に示す研究課題(1)~(3)を解決する必要がある. (1)有向グラフにおけるノード間の辺の向きの状況から,入力及び出力の中心となるノード(以下,中継ノードと記す)の導出. (2)中継ノードの存在を基とした,与えられた有向グラフのノード間のクラスタリング手法の提案 (3)有向グラフのグラフ構造の複雑性を表す尺度の導出 平成22年度では,上記(1)の課題を解決することができたが,平成23年度においては(2)の手法としてのノードクラスタリング法を提案することができた.解析の概要は,与えられた有向グラフのノード間のリンク構造を最大2ステップまで拡大して制御できる2つのノード間の関連性を表す指標を開発したことよる.この指標を基に与えられた有向グラフのノードクラスタリングを行うアルゴリズムを構築して段階的クラスタリングを行い,有向グラフの最終的なフレームと言うべき骨格を形成することができた.このノードクラスタリング法を巨大化した情報ネットワークに適用することにより,コアな情報及び重要なリンクの導出,あるいは,殆ど意味の無い情報の遮断や,極めて似通った情報の融合等,情報の橋渡しとして重要な情報ネットワーク構造を解析し,再構築することが可能となるのである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請研究は,3年間を考えており,現段階で与えられた有向グラフから新たな指標を導入してノード間のクラスタリングを行うことが実現できたからである.本研究で述べる有向グラフのノードクラスタリングとは,有向グラフの骨格とも言うべきフレームを形成することであり,このアルゴリズムを確立できたことにより,有向グラフ間のノード間のコアとなる関係を導出できることになるのである.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の課題(3)は,平成24年度の完成を向けて研究を遂行しているが,現段階では,2つの事象に対する結合分布の情報エントロピーの導入を考えている. 現段階では,一般のn個のノードをもつ有向グラフに対し,最も単純なグラフ構造をもつ2つの事象の結合分布の情報エントロピーが最小になることと,最も複雑なグラフ構造をもつ2つの事象の結合分布の情報エントロピーが最大になることが事例を交えて示せている.今年度はこの問題の一般形についての証明に取り組みたいと考える.
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Research Products
(2 results)