2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500311
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
今村 一之 前橋工科大学, 工学部, 教授 (30203326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白尾 智明 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20171043)
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Keywords | 脳・神経 / 神経科学 / 解剖学 / 生理学 / 生物・生体工学 |
Research Abstract |
生後発達初期の臨界期に適切な両眼入力が与えられないと弱視の原因になることは古くから知られており(視性刺激遮断弱視)、神経眼科学的には、臨界期を過ぎ治療時期を逸すると回復困難であると考えられてきた。近年マウスを用いた眼優位可塑性の研究から、成熟したマウスの視覚野でも単眼遮蔽の効果が認められることが報告されている。成熟した視覚野での可塑性と臨界期の可塑性の細胞・分子機構の相違については、これまで十分に検討されていない。本研究では、発達期に発現が切り替わるドレブリンが眼優位可塑性に重要な働きをしているとの仮説の基に、臨界期可塑性と成熟視覚野での可塑性の分子メカニズムの相違を明らかにすることを目的とした。当該年度では、感受性期に単眼遮蔽を施したマウスの視覚野における遮蔽した眼の刺激、正常に視体験した眼の視覚刺激により惹起されるc-fos遺伝子産物を免疫組織化学的に染色、可視化した。視覚野Oclb領域における染色結果の解析を行い、遮蔽をしなかったコントロール群と比べてc-fos免疫陽性細胞の数に優位な変化が惹起される亜層を大脳半球を分けて詳細に検討した。その結果、遮蔽した眼と同側の第4層に最も顕著な変化が誘導されることを発見した。この成果により、解析部位を限定することが可能となり、この成果は、今後のドレブリンノックアウトマウスを用いた実験に有用性が高いと考えられる。 また、マウスの視覚野からの視覚反応を記録する為の諸条件の検討を行い、現在10時間程度、安定して視覚野ニューロンの反応を記録、解析することができるようになった。ドレブリンノックアウトマウスを用いて眼優位可塑性の電気生理学的な検討が可能になった。
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Research Products
(5 results)