2010 Fiscal Year Annual Research Report
GFAP陽性神経幹細胞に由来する海馬新生ニューロンのストレス脆弱性の分子基盤
Project/Area Number |
22500313
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
井村 徹也 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00405276)
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Keywords | 再生医学 / 脳・神経 / 神経科学 |
Research Abstract |
Glial Fibrillary Acidic Protein(GFAP)陽性神経幹細胞は生後発達期より老齢期にわたり海馬歯状回における持続的な神経新生に寄与するが、GFAP陽性神経幹細胞に由来する顆粒細胞集団が他の顆粒細胞と異なる性質を有するかについては明らかでない。本研究では、GFAP陽性神経幹細胞に由来する顆粒細胞集団がストレス脆弱性を有する可能性に着目し、その形成維持機構とストレス感受性について詳細な解析を行うとともに、そのストレス脆弱性に関わる分子基盤を明かとすることで、GFAP陽性神経幹細胞に由来する顆粒細胞集団の特異性の解明を試みることを目的とする。平成22年度には、生後発達期-老齢期にわたるGFAP-GC populationの量的変動とてんかん侵襲等のストレス負荷による影響について、GFAP-GC populationの選択的追跡が可能な遺伝子改変マウスモデルを用いて、組織学的解析・分子発現の検討を行った。この結果として、GFAP-GC populationの生成・維持が様々な環境要因により影響を受けるという基礎的な知見を得た。このことは、GFAP-GC populationが他のGC populationと異なる性質を有する可能性を示唆するものとして興味深いと考えられる。また、GFAP-GC populationの分子発現の網羅解析のため、GFAP-GC populatioを選択的に分離するための有効な手法の検討を、FACS法、レーザーマイクロダイセクション法等を用いて行ったが、網羅解析のための良質な遺伝子の回収のためにはさらなる条件検討が必要であった。この過程で、本研究に必要な動物モデル繁殖の過程での感染事故の発生のため同モデルの無菌化・再導入が必要となったため、当初計画に遅延が生じた。
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