2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質放出機構における全く新しい素過程の解明
Project/Area Number |
22500334
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
匂坂 敏朗 神戸大学, 医学研究科, 教授 (80359843)
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Keywords | 小胞融合 / SNARE / トモシン |
Research Abstract |
神経細胞が次の神経細胞に情報を伝えるシナプス伝達の主たる過程は、神経伝達物質の放出により行われている。従って、神経伝達物質の放出の過程を解明していくことは、シナプスの可塑性ひいては記憶形成の過程を理解する上で重要である。これまで、私共は、神経伝達物質の放出にSNARE系の活性制御タンパク質であるトモシンが抑制的に働くことを明らかにしている。また、その抑制効果がCa^<2+>依存的であることを明らかにしている。 本年度は、トモシンのCa^<2+>依存的な抑制効果について解析し、以下の結果を得た。 1)トモシンがCa^<2+>依存的にシナプトタグミンに結合した。 2)トモシンがシナプトタグミンの膜変形効果を抑制した。 3)トモシンとシナプトタグミンの結合がトモシン複合体形成を促進した。 4)培養ラット上頸交感神経細胞において、トモシンがシナプトタグミンを介してアセチルコリン放出を抑制した。 これらのことから、トモシンがシナプトタグミンに結合し、神経伝達物質の放出をCa^<2+>依存的に抑制していることが明らかになった。 このように本年度は、トモシンの作用機構について当初の計画以上の成果をあげることができた。
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Research Products
(5 results)