2010 Fiscal Year Annual Research Report
ツメガエル胚の未分化細胞を用いた臓器レベルの膵臓形成と生体移植による機能解析
Project/Area Number |
22500385
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有泉 高史 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特任准教授 (30286166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 秀治 東京大学, 教養学部, 特任准教授 (90447318)
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Keywords | 発生工学 / 器官創製 / 膵臓 / 未分化細胞 / 生体移植 |
Research Abstract |
1.試験管内で分化誘導した膵臓の遺伝子発現と組織分化の解析 ツメガエル胚から得られた未分化細胞塊(アニマルキャップ)を解離・再集合し、アクチビンとレチノイン酸で処理して膵臓を分化誘導した。この試験管内での膵臓形成が、胚内での膵臓形成と同様に進行することを確かめるため、膵臓分化の指標となる各種の遺伝子の発現パターンを解析した。その結果、試験管内で誘導した膵臓においても、膵臓の発生初期に発現するPdxlやPtfla、分化した膵臓に発現するcarboxypeptidaseA、アミラーゼ、インスリン、グルカゴンなどが正常な膵臓と同様に発現することがRT-PCR法やwhole-mount in situ hybridization法によって確認された。また、試験管内で作られた膵臓の微細構造を電子顕微鏡で観察するとともに、各種抗体(抗アミラーゼ抗体、抗インスリン抗体、抗グルカゴン抗体)で免疫組織化学的に解析した結果、腺房構造を示す外分泌部と数種類の細胞からなる内分泌部の組織分化が確認された。 2.試験管内で分化誘導した膵臓の生体移植法の検討 試験管内で作られた膵臓を初期胚に移植する方法を検討した。宿主に用いる胚の発生段階、移植場所、移植片の大きさ(細胞数)等を検討した結果、初期神経胚(発生段階第20期)の腹部に移植した場合に、宿主の膵臓と同等な大きさや形態的特徴を示す第二の膵臓が形成されることが明らかになった。移植実験では、移植片を蛍光色素で標識したアニマルキャップから作製することによって宿主胚の組織と区別した。移植を受けた胚を変態期までの各発生段階で解剖した結果、腹部に作られた第二の膵臓は宿主の膵臓と同様な組織分化を示し、各種抗体(抗アミラーゼ抗体、抗インスリン抗体、抗グルカゴン抗体)を用いた免疫組織化学的解析ではいずれの抗体に対しても陽性反応を示した。
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Research Products
(3 results)