2010 Fiscal Year Annual Research Report
血液浄化法を用いたアルツハイマー治療デバイスのモデル動物による前臨床評価
Project/Area Number |
22500419
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
川口 和紀 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 助教 (00508468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北口 暢哉 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (70508077)
中井 滋 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (20345896)
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Keywords | アルツハイマー病 / 血液浄化 / アミロイドβ蛋白 / Aβ / 吸着 |
Research Abstract |
本年度はラットを用いた体外循環技術の確立を目指し以下のようなステップで行った。 1.【体外循環回路の設計・製作】ラットとヒトとの体重比からAβ吸着材の量を設定した。次にこの吸着材を充填するカラム容器を製作した。注射用シリンジを用いて後端をあらかじめ切断し、先端部には吸着材が回路内に漏れ出ることのないように、シリンジ直径に合わせた不織布を切り取ったものを留置した。その上で吸着材を充填し内筒のゴム部分にI型パーツを通して封入し、シリコンチューブを接続してAβ吸着材カラムを作成した。 2.【体外循環の条件設定】ラットの全循環血液量からプライミングボリュームを極力抑えるべく回路長さ等を設計した。また、麻酔の条件を濃度及び送気流量を手術時間に加えて、体外循環施行中に安定した吸入麻酔が行うことができる条件設定を確立した。体外循環時の脱血側は、ラット右胸部より切開したのち右総頸静脈を選択し、カニューラ針で穿刺し内筒を留置した。また返血側として尾静脈にも同様にカニューラ針を穿刺・留置した。ポンプ・スピードは15ml/hとし、回路内をヘパリンコーティーングすることにより安定した体外循環を行う実験系を確立した。 3.【ラット脳内へのAβ投与法の確立】注射針とマイクロシリンジ針の組み合わせにより穿刺針を作成し、ラット大槽内に穿刺しマイクロシリンジにて髄液の吸引が確認された後シリンジを外し、ヒトAβ溶液の入ったマイクロシリンジに付け替えてAβを注入することにより、定量的に脳内にヒトAβを注入する方法を確立した。また、このヒトAβは血中への移行がELISAにて確認されており、ヒトAβ脳内投与後に、体外循環を行い血中Aβを検出するという評価モデルが構築できたと考える。来年度は、この実験系を用いてよりヒトのアルツハイマー病の病態を反映した動物モデルへのさらなる改良と、体外循環による認知能力への影響をラットの行動評価を行うなどして検討していきたい。
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Research Products
(8 results)