2010 Fiscal Year Annual Research Report
運動負荷頸動脈エコーは左室機能の運動応答指標になり得るか?
Project/Area Number |
22500446
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
泉 唯史 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (40278990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 基晃 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (60010914)
田中 みどり 姫路獨協大学, 医療保健学部, 講師 (50441332)
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Keywords | 漸増運動負荷 / 呼気ガス分析 / 頸動脈エコー / Wave Intensity(WI) / 血流速変化 / 頸動脈径変化 / 心機能 / 酸素摂取量 |
Research Abstract |
【具体的内容】漸増運動負荷中の心機能応答の評価を経胸壁心エコーで実施することの妥当性および信頼性への疑問から,運動負荷頸動脈エコーを用いて,心機能評価を動的に評価することが可能であるかを検証することが本研究の目的である.本年は,リクライニング椅子付き下肢エルゴメータを用いて漸増運動負荷を行い,心電図,血圧計,呼気ガス分析装置を併用しながら頸動脈エコーが連続的に取得可能であるかを確認し,良好な頸動脈エコー図の取得に最適な実験プロトコールを設定することを目的として行った呼気ガス分析を行う場合のマスク装着は,1.5mほどの呼気ガスサンプリングチューブにより分析装置と連結されており,被検者のペダリングに伴う体動は酸素摂取量などの計測には何ら影響を及ぼさないことが確認された.また,頸動脈エコー図の取得については,日本超音波医学会認定の技師により外頸動脈における血流速変化(dU/dt)と径変化(dD/dt)の計測を組織ドップラー法により経時的に行った.これらの積すなわち(dU/dt)・(dD/dt)値は1心周期において予測通り2つの陽性波として描出された.これらの波高,すなわち出現する順にWd1,Wd2とすると,漸増運動負荷に対してWd1は経時的に増加する傾向を示し,Wd2はゆるやかに漸減する傾向を示した. 【意義】本来のWave Intensity(WI)では,その重要な要素である圧変化計測を上腕動脈で得られる血圧値によって補正する必要があるが,本研究のプロトコールでは漸増運動負荷を採用しているため極めて困難である.従って血圧値による補正を行わなず頸動脈径変化の時間微分値を採用して経時的変化を追求することとしたが,予測通り1心周期に2つの陽性波が描出された.この波高の経時的変化が心機能の運動応答および呼気ガス分析値といかような関連があるかを,対象者を広げて解析していく予定である. 【重要性】Wd=(dU/dt)・(dD/dt)は1心周期に2つの陽性棘波を示した.まだ準備実験の段階であるが,これらの漸増運動負荷に対する経時的変化について解析することの臨床的意義は極めて大きい.
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Research Products
(9 results)