2011 Fiscal Year Annual Research Report
重度障害者のための視線検出と事象関連脳電位を用いたインタフェースに関する基礎検討
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22500503
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
橋本 昌巳 信州大学, 工学部, 准教授 (20242670)
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Keywords | ユーザインタフェース / 生活支援技術 |
Research Abstract |
本研究の目的は重度な障害等により運動機能が著しく低下した人を対象としたコミュニケーション支援手般である視線入力と視覚刺激に基づく事象関連脳.電位を応用したBCI(Brain Computer Interface)との連携に関わる基礎的検討である。2年目に当たる23年度は視線入力と事象関連脳電位であるP300に着目したBCIの融合に関する次の項目について実施し、進捗及び成果は以下のとおりである。 1.視線-P300同時計測による入力手法の検討 視覚刺激に基づくP300成分と視線の関係を分析、評価するために、P300成分と顔画像を同期記録するシステムの構築を進めた。画面上の刺激呈示位置、脳波(P300成分)、顔画像に基づく視線情報を、計測後にオフライン処理として個別にデータ解析を行った。本システムにおいて、脳波と視線の関係を明確にするために視線情報の計測精度向上を進めている。 2.P300応用BCIの注目刺激判別手法の精度向上の検討 視覚刺激に基づくP300成分BCIの選択肢判別手法について、文献などで提案されている各種手法を基本として処理の複合化による判別精度向上の可能性を見出した。個人性が見受けられた結果においては、被験者の特徴と刺激呈示方法や判別手法の関係について分析を進めて、システム化のための課題である個人性への対応の可能性を検討する。 3。融合システムの基礎検討 視線、P300成分同時計測の試行を行い、両者の同時評価をオンラインで行うためのシステムの条件について課題を検討した。同時評価において視線、P300成分共に分析手法を集約してシステムの複雑さを軽減する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本システムで取得する脳波信号と顔画像などは情報量が多く、解析に時間を要している。また、被験者に過度な負担とならないように進行を調整しながら行っている。これらはあらかじめ考慮していたが、進捗の遅れの原因と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的を達成するために、脳波信号と視線情報の同時解析を実行するシステムを早急に構築すると共に、BCIとしての機能向上のためにフィードバック機能の付加を検討する。研究の一層の進捗のために倫理的配慮をしながら多くの被験者の協力を得られるように対応する。
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Research Products
(3 results)