2010 Fiscal Year Annual Research Report
体育・スポーツ指導者養成における運動観察能力の養成方法論の構築
Project/Area Number |
22500535
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
中村 剛 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (60341707)
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Keywords | 運動観察能力 / 指導者養成 / 発生論的運動学 / 例証分析 / 超越論 |
Research Abstract |
本研究は、平成22年度~24年度の3年間で実施される予定であるが、この研究における最終的な目的は、体育・スポーツ指導者に不可欠な専門的指導力の一つである「運動観察能力」の養成方法論の基礎を構築することにある。このような目的の達成に向けて、平成22年度は当初の研究実施計画に従って、ベテラン指導者の運動観察能力に関する調査研究が行われた。具体的には、埼玉県の小学校の5年生3名を対象とした、ベテラン指導者と教育学部の学生による「逆上がり」の指導実践事例を取り上げ、発生論的運動学の立場からの例証分析を施すことによって、前者の運動観察の特徴を明らかにしたのであった。 この研究においては、ベテラン指導者の観察行動や観察における視点といった外見的な特徴だけではなく、そうした観察の仕方を支えている指導者の内的な思考プロセスの特徴についても浮き彫りにすることができた。このような現象学的な立場からの超越論的な分析研究により、どのような考え方にもとづいて、どのような観察の仕方ができるようになれば観察能力が向上したと判断できるのかということ、すなわち、観察能力養成における具体的な目標像を明らかにすることができたと考えている。こうした運動観察能力養成における具体的な到達目標像の解明は、運動観察能力の養成方法論的基礎の構築にとって、欠くことのできないことであり、平成23年度以降の研究で実施することになっている「運動観察能力養成実習」における運動観察能力の向上の度合いを確かめるための「運動観察能力テスト」の開発にとって必要かつ重要な研究成果であったと考えている。
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Research Products
(4 results)