2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゴール型ゲームの運動課題と評価の観点~条件制御で誘発される運動技能を探る~
Project/Area Number |
22500560
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
加藤 敏弘 茨城大学, 教育学部, 准教授 (20185854)
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Keywords | ゴール型ゲーム / バスケットボール / サッカー / ブラジル / 戦術学習 |
Research Abstract |
ゴール型ゲームの運動教材を構造化するために、バスケットボールを中心にゴール型ゲームの運動教材について国内及び海外から収集した。特に、ブラジルにおいて、8才~14才までのバスケットボール、サッカー、フットサルの指導現場を取材し、指導内容についてその特徴をもとに分類している。また、ブラジル国内で発行されている書籍を収集し、指導現場での内容を書籍に記述されている教材と照らし合わせ、その構造化を試みている。 日本国内で実施されている指導内容との違いについて、現在、考察中であるが、日本の運動教材が子どもたちの体の動かし方(使い方)を中心に展開されるのに対し、ブラジルでは、コート上のどのポジションに動いたらよいのか、味方と協力するためにどのようなタイミングで動いたらよいのかといった状況判断力の育成を中心とした展開になっていた。こうした状況判断力の育成は、今回の学習指導要領改定で新たに加えられた、次の動きにつながるものとして注目される。 ・ボールを持たない時の動き(小1~4)・ボールを受けるための動き(小5~6) ・空間に走り込むなどの動き(中1~2)・空間を作り出すなどの動き(中3) ・空間を埋めるなどの動き(高) これらの動きを発揮するためには、体力を高め、ボールを操作する技能を高めなければいけないことはもちろんであるが、日本のこれまでの体育授業では、ボールを操作する技能ばかりが強調され、ゲーム中にどこに動いたらよいのかなどの基礎的な知識や理解を深めるような運動教材が開発されてこなかった。したがって、戦術学習がなかなか深まらなかったと反省的に見ることができる。ブラジルでの運動教材のポイントを整理し、日本の体育授業に適した形に整理することによって、多くの指導現場で、ゴール型ゲームのねらいを達成することにつながることが期待される。
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Research Products
(1 results)