2012 Fiscal Year Annual Research Report
ゴール型ゲームの運動課題と評価の観点~条件制御で誘発される運動技能を探る~
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22500560
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
加藤 敏弘 茨城大学, 教育学部, 准教授 (20185854)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | バスケットボール / ゴール型 / 授業実践 / バスケットボールスクール / 評価基準 |
Research Abstract |
1.日本スポーツ教育学会第32回大会で「ゴール型の運動課題を誘発するゲームの条件-バスケットボールの場合-」と題して研究成果を発表した。その際、資料として新学習指導要領のねらいを達成するために、各種技能の目標を第1目標から第3目標まで段階的に設定した。また、その目標を達成するためのミニゲーム(タスクゲーム)を提示した。さらに、目標を実現するためのこれらのゲームにおいて、その条件をどのように設定し、実施方法をどのように工夫したらよいのかについて解説した。発表を聞いた参加者から実際の授業で実施してみたいとの連絡を受けているほか、茨城県内の小学校から高等学校までの体育担当教員に協力者を募り、具体的な体育授業での実施について調整中である。 2.正課授業での教員の創意工夫も大切であるが、特に中学校ではミニバスケットボール経験者やバスケットボール部員とそれ以外の一般生徒との技能レベルの差が著しく、授業の運営が困難であることが指摘されている。特にバスケットボールの技能レベルが高いにもかかわらず、体育授業の本当のねらいを十分に理解できず、タスクゲームなどの際に極端に手を抜いたり、一人でプレイしてしまうなどの問題について相談を受けている。これは、スポーツ少年団や運動部活動でのバスケットボールの指導で、「ボールを持たない時の動き」の重要性が十分に指導されていないこともその要因であると考えられる。そこで、茨城県バスケットボール協会の協力を得て、中学校1年生を対象とした「茨城県バスケットボールスクール」を11月~2月までの隔週で全8回実施した。県内7会場で主に高校の先生を中心に本研究で得られた成果に基づいたカリキュラムで総勢264名に指導が展開された。この日本初の試みにおいて、運動部活動に所属している生徒の意識がどのように変化したのかを調査した。 3.ハンドボール、サッカーとの連携が不十分である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外の事例調査やこれまでの授業での取り組みによって、バスケットボールで求められる技能について、その到達基準をレベル1からレベル3まで設定することができた。また、その成果を日本体育・スポーツ教育学会で発表することができた。さらに、正課授業での実践研究を実施する上での協力者を多数得ることができた。ただし、サッカーとハンドボールの専門家との検討が不十分であり、ゴール型共通の到達基準と到達目標、また、それぞれの種目特有の到達基準をあきらかにすることができていない。 しかし、現職教員との協力の過程で、ただ単に新学習指導要領に沿った単元計画や授業案やタスクゲームの条件設定などの創意工夫だけでは、授業がなかなか変わらないのではないかということに気づいた。それは、授業は生徒が行うものであり、その生徒の実態を考えると、スポーツ少年団や運動部活動でのバスケットボールの経験が正課授業にも大きく影響している、という問題意識である。そこで、中学校の運動部活動を側面から支援する形で、茨城県バスケットボール協会の協力を得て、中学校1年生を対象とした「茨城県バスケットボールスクール」を実施することができた。総勢264名の参加者を得て、本研究で得られた知見をもとに作成した指導者用DVDを70名ほどの協力者(ミニ~一般の指導者)で研修会を実施し、そのうち高校の指導者を中心に7会場で指導が展開された。ここでは、一般的な技能に加え、「ボールを持たない時の動き」の重要性を理解させるための様々な工夫をこらしている。この運動部活動へのアプローチと正課授業へのアプローチは、研究当初想定していなかったアプローチであるが、現職教員をはじめバスケットボール指導者から高い関心を集めており、本研究の新たな方向性を示している。
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Strategy for Future Research Activity |
1.これまでの研究によって得られたバスケットボール技能の到達基準と達成目標を具体的に展開するための単元計画と授業案ならびにゲームの工夫例を示し、その実践の様子をVTRで撮影する。現職教員にそれらを配布し、実際に授業で実施してもらうと同時に、昨年度までの授業との違いについてアンケート調査を実施する。 2.サッカーとハンドボールの専門家に上述した単元計画、授業案、ゲームの工夫について提示し、それぞれの種目の場合の到達基準と達成目標を作成してもらう。バスケットボールとサッカーとハンドボールの共通点とそれぞれ固有な点を明確にし、ゴール型の単元計画を作成する。 3.茨城県バスケットボールスクールにおいて、正課授業との関連性を意識したカリキュラムを作成し、平成25年度も実施する。スクールでの指導者が正課授業でどのように工夫をしているのか、また、平成24年度の参加者に対して体育授業での意識の変化があったのか等について調査する。 4.この正課授業と課外活動の有機的な連携については、別途、研究プロジェクトを立ち上げて申請する。
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Research Products
(2 results)