2011 Fiscal Year Annual Research Report
随意動作における素早い筋出力の調節に関わる中枢制御機構
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22500577
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
藤原 素子 奈良女子大学, 文学部, 教授 (30220198)
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Keywords | バイオメカニクス / 筋出力 / 随意動作 |
Research Abstract |
ヒトの随意動作遂行時の素早い筋出力の調節に関わる中枢制御機構について、発揮張力を指標として実験を行った。特に、素早い出力の減少に着目し、素早い出力増加時と比較検討した。また、昨年度は右腕のみでの筋出力調節を課題としたが、今年度は同じ課題を両側上肢同時に行い、張力の調節機構について検討した。 女子大学生12名を被験者とし、座位で両側上肢の等尺性肘関節屈曲(90°)動作における張力発揮を行った。被験者の課題は、最大張力(MVF)の40%の力を保持した状態から、LEDの点灯により呈示される視覚刺激に対して、できるだけ早く2種類の要求水準(20%WVFあるいは60%MVF)に到達することであり、予め要求水準がわかっている単純反応課題とわからない選択反応課題を行った。測定項目は、発揮張力と筋電図(上腕二頭筋および上腕三頭筋より導出)で、張力より正確性および反応時間(調節開始時間:刺激呈示-張力変化開始、調節時間:張力変化開始-張力変化終了、全体調節時間:調節開始時間+調節時間)を求めた。 結果、3つの反応時間において左右差は認められなかった。調節開始時間については、出力を増加させる場合が減少させる場合よりも有意に短く、また単純反応課題が選択反応課題よりも有意に短かった。調節時間および全体調節時間においては、要求水準、課題による差は認められなかった。昨年度の一側による調節時の結果と比較して、調節開始時間は単純反応課題においてのみ長かった。また、調節時間および全体調節時間については、両要求水準、両反応課題とも長くなった。 以上の結果から、両側同時での出力調節においては、力を減少する場合には増加させるときよりも、中枢からの運動指令が到達するのに時間がかかることが示された。また、一側単独で調節するときよりも調節開始および調節に要する時間が長くなることも明らかとなり、中枢における筋出力調節機構における制御様式に関する重要な基礎データを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の計画について、1年目、2年目の計画を遂行することができた。2年目のデータについては、まだ解析の余地が残っているものの、1年目の結果との比較からいくつかの興味深い知見が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は最終年度である。計画の中での3年目として、計画どおりの実験を遂行し、3年間の結果をもとにヒトの筋出力調節における中制御機構についてまとめる予定である。また、1年目および2年目の結果をまとめて、研究発表を行う。
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Research Products
(1 results)