2012 Fiscal Year Annual Research Report
随意動作における素早い筋出力の調節に関わる中枢制御機構
Project/Area Number |
22500577
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
藤原 素子 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (30220198)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | バイオメカニクス / 筋出力 / 随意動作 |
Research Abstract |
ヒトの随意的な素早い筋出力調節時の中枢制御について、発揮張力を指標として実験を行った。本テーマに関して、一昨年度は一側の上肢のみでの筋出力調節を課題とし、昨年度は両側上肢同時に筋出力調節を行うことを課題(両側とも増加あるいは減少)としたが、今年度は両側同時に出力の増減を組み合わせた課題(一側が増加時には対側は減少、およびその逆)を行い、張力の調節機構について検討した。 女子大学生12名を被験者とし、座位で両側上肢の等尺性肘関節屈曲(90°)動作における張力発揮を行った。被験者の課題は、最大張力(MVF)の40%の力を保持した状態から、LEDの点灯による視覚刺激に対して、できるだけ早く2種類の要求水準(20%MVFあるいは60%MVF)に到達することであり、予め要求水準がわかっている単純反応課題とわからない選択反応課題を行った。左右のLED刺激はすべて20%と60%の組み合わせとした。測定項目は、発揮張力と筋電図(上腕二頭筋および上腕三頭筋)で、張力より正確性および反応時間(調節開始時間:刺激呈示-張力変化開始、調節時間:張力変化開始-張力変化終了、全体調節時間:調節開始時間+調節時間)を求めた。 結果、調節開始時間については、出力増加時と減少時で差はなく、単純反応課題が選択反応課題よりも有意に短かった。調節時間と全体調節時間には、要求水準、課題による差はなかった。一側による調節時の結果と比較すると、恒常誤差は選択反応課題において両要求水準で有意に小さかった。調節開始時間は差がなく、調節時間と全体調節時間は、両要求水準、両反応課題とも長くなった。 以上の結果から、両側同時に筋出力の増減を行う場合には、一側単独で調節する場合よりも調節に要する時間が長くなることが明らかとなり、中枢における筋出力調節機構における制御様式に関する重要な基礎データを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)