2010 Fiscal Year Annual Research Report
大学生に運動習慣を促す初年次教育の試み-ポートフォリオを利用して-
Project/Area Number |
22500592
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 隆 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (10167786)
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Keywords | 運動習慣 / ポートフォリオ |
Research Abstract |
学生が継続的に運動を含めた正しい生活習慣の獲得を動機づけられるために「自己の運動時間・睡眠時間・食生活と自覚する健康状態を継続的にチェックし、蓄積し、客観的に評価することが、生活習慣や運動習慣の改善につながる」という仮説をたて検証した。 大学520名新入生に前学期18週間(4/5~8/7)にわたり、週毎の「行動目標、学習内容と時間、食事の規則性、睡眠時間、運動時間、行動目標に照らした自己評価」をアンケート調査した。10.04%の学生は週平均の睡眠時間35時間を下回り、その傾向は3週目より表れた。朝食の1週間摂取率は84.7~51.65%を推移した。1週目摂取率が最も高く、週を経るごとに低下した。運動時間は週に3回以上定期的に運動をしている学生は、運動部参加者を含めて23.81%、18週間運動をしていない学生は33.33%であった。1週間の運動時間は平均50.61分で、18週間は平均80.01~14.28分を推移した。「健康教育」を行った7週目が最も運動時間が多く、「健康教育」の有効性が認められたが、習慣づけされないことを認めた。また、調査では、1週間の行動目標を設定し、自己評価する形式をとり、毎週コメントを付記し返却した。学生の行動目標は、学業に関すること76.34%、生活習慣に関すること20.44%、運動に関すること2.07%であり、自己評価もその内容に沿ったものであった。学生の優先順位1位の学業については時間の増加を認めたが、他の項目は改善を認めない結果である。さまざまな要因はあるが、高く動機づけられている事柄については、このようなアンケートによっても習慣化されるという結論を得た。また、行動目標は付記したコメントによって変容することを確認した。健康維持と運動に関して特化したポートフォリオの蓄積によって、運動の習慣化の可能性を期待させるものであり、今後の研究の準備段階としては意義あるものであった。
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