2010 Fiscal Year Annual Research Report
コーパス言語学的アプローチによるクーベルタン・オリンピズムの受容史研究
Project/Area Number |
22500597
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
和田 浩一 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 准教授 (20309438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 謙次郎 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 教授 (40263636)
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Keywords | 言語学 / コーパス / クーベルタン / オリンピック / オリンピズム / スポーツ史 / 体育史 |
Research Abstract |
1. 文献収集:クーベルタン作の未収集該当図書4冊のうち3冊を、同じく雑誌記事250編(雑誌6種)のうち144編(雑誌2種)をフランス国立図書館他で収集した。これと関連する作業の中で、Bibliographie des oeuvres de pierre de Coubertin(『クーベルタン著作目録』1991)に記載のない記事2編(Le monde moderneに収録)を発見できたことは、クーベルタン研究の領域において大きな成果であった。 2. コーパスの作成:英語図書2冊と仏語図書1冊分のOCR化を進め、テキストデータのチェックを終了した。 3. 研究・論文発表:(1)本課題を構想するきっかけとなった英文雑誌記事"Pierre de Coubertin : An Appreciation"(Fortnightly Review, 1903)を取り上げ、近代オリンピック草創期の歴史的背景と記事内容の分析を通して、執筆者のMary Girardがクーベルタンである可能性について論じた(2010年9月)。(2)『中学世界』(1903)に執筆した鳥谷部春汀の記事が、前述の英文記事の抄訳だったことと、クーベルタンのスポーツによる教育改革運動の意味、つまりオリンピズムの意味を青少年に伝えようとした内容であったこととを論じた(2010年11月)。(3)オリンピズムという思想の出自がどこにあり、いかに解釈され、これが現在にまでどのように引き継がれてきたのかを、クーベルタンの著作と代表的な解釈とに焦点を当てながら明らかにするとともに、彼の教育活動の内容を俯瞰しながら、新しい日本的なオリンピズムを構想していく可能性について論じた(2011年11月)。
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Research Products
(3 results)