2010 Fiscal Year Annual Research Report
情報化社会に求められる小児期の視力検査法のあり方に関する研究
Project/Area Number |
22500647
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
高橋 ひとみ 桃山学院大学, 法学部, 教授 (40149787)
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Keywords | 情報化社会 / 健康診断 / 近見視力検査 / 遠見視力検査 / 屈折検査 / 調節融通性検査 / 視行動 |
Research Abstract |
ICT社会を迎え情報入手手段は大きく変わり、教育現場でもVDT学習による近見主体の学習形態に変化してきた。しかしながら、学校健康診断では「黒板の文字を判読する」遠見視力検査しか実施されていない。そこで、「情報化社会に求められる小児期の視力検査」として、「教科書やノート・パソコン画面の文字を判読する」近見視力の必要性から、近見視力検査の導入を目指して(1)現行の遠見視力検査では発見できない近見視力不良の子どもの存在とその割合(2)近見視力不良者の学校生活における負担、さらに眼科学的評価として、屈折検査と調節融通性検査を行うことにより(3)近見視力不良の原因を明らかにするための検証を行った。具体的には、平成22年5月、浦安市の小学校で学校眼科医の協力を得て、遠見・近見視力検査・屈折検査・調節融通性検査を実施し、近見視力不良の子どもが約16%いること、近見視力不良の子どもは学習能率が良くないこと、さらに、近見視力不良の原因として乱視・遠視系の屈折異常・調節不良などがあげられることを明らかにした。また、平成20年度から和泉市の小学校で継続実施してきた眼精疲労改善トレーニングを平成22年度も引き続き行い、遠見・近見視力の改善効果を検証した。そして、調節不良が原因の視力不良の場合、毛様体筋と眼筋のストレッチにより、遠見・近見視力が有意に向上することを重ねて明らかにした。これらの結果を、平成22年度の日本健康教育学会・日本体育学会・日本健康行動科学会・日本公衆衛生学会・日本学校保健学会において発表した。さらに、文部科学省担当局および財団法人学校保健会に研究結果を報告し、学校健康診断に近見視力検査の導入を提言した。また、研究成果を教育現場で活用してもらうために簡易近見視力検査用視票と眼精疲労改善トレーニング用シールを作成し、名古屋市・東海市・奈良市・和泉市・岡山市の養護教諭研修会などで「近見視力検査の意義と有効性」の講演後に配布した。
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Research Products
(6 results)