2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500651
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Research Institution | Physical Fitness Research Institute |
Principal Investigator |
永松 俊哉 財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, 所長 (60450748)
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Keywords | ストレッチ / 睡眠 / ストレス / 体温 / コルチゾール |
Research Abstract |
【目的】運動の実施が睡眠の質の改善に有効か否かを検討するために、就床直後の急速な体熱放散が入眠を促す機序に着目して睡眠の維持改善を狙いとする運動プログラムを作成し、本プログラムが体温上昇およびストレス反応に及ぼす効果検証を行った。【方法】対象者は40歳以上で睡眠薬および向精神薬による治療を行っていない女性8名とした。運動の内容は、過度の疲労感が生じないようヨガの技法やポーズを採用した低強度のストレッチとし、運動を実践する際の総所要時間が約10分間となるよう構成した。いずれの対象者も温度25℃・湿度50%の室内にて、ストレッチ運動(Ex)および安静コントロール(CTR)の施行を7日間以上の間隔を置いてランダムに実施した。測定項目は直腸温および唾液中コルチゾールとした。体温計は運動開始30分前から運動実施後まで直腸内に留置して30秒毎に計測し、運動開始と運動終了直後の値を採用した。唾液は運動開始5分前と運動終了5分後に蒸留水で口腔内を濯いだ後滅菌綿にて採取した。定量は外部検査機関に委託した。運動効果の検定には一般化線形モデル-反復測定(GLM-RM)を施行した。【結果】直腸温および唾液中コルチゾールのいずれもGLM-RMにて交互作用を認めた。直腸温は時間経過に伴いCTRでは低下しExでは上昇した。唾液中コルチゾールは時間経過に伴いCTRでは微増しExでは減少した。【まとめ】本研究で作成した低強度・短時間でのストレッチ運動プログラムは、0.1℃ほど深部体温を上昇させ、ストレス反応の低下をもたらす効果を有するものと考えられる。このことから、本プログラムを就寝直前に実施することで、ストレス緩和と就床直後の体熱放散促進を介した睡眠の質の改善が期待される。
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