2010 Fiscal Year Annual Research Report
運動及びアルギニン摂取が血小板凝集及び血中凝固・線溶に及ぼす影響
Project/Area Number |
22500661
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大桑 哲男 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (80115675)
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Keywords | 加齢 / 老化 / 血液の凝固 / 線溶 |
Research Abstract |
今年度の研究目的は加齢に伴う血小板凝集・血液凝固を明らかにし、運動と6%アルギニン摂取が血小板凝集・血液凝固への効果を抗酸化機能から検討することであった。血管壁に破損が生じるとその破損部位に血小板が結合し、その血小板にフィブリノゲンが結合し血栓が生成される。高齢ラットの血中フィブリノゲン濃度はトレーニング群(T群)、トレーニング+アルギニン群(T+A群)、アルギニン群(A群)および対照群(C群)のいずれの群においても若年ラットの値に比べ有意に高い値であった。また高齢ラットにおいてはA群のフィブリノゲン濃度はT+AとE群に比べ有意に高い値であった。若年ラットにおいて、C群のフィブリノゲン濃度はT+A群およびE群に比べ有意に高い値であった。これらの結果は高齢・若年ラットにおいて、トレーニング、トレーニング+アルギニン摂取は血栓予防に効果的であることを示唆しているが、アルギニン摂取のみは、むしろ血栓を亢進する可能性を示唆している。4群のフィブリノーゲンの変化の違いを酸化ストレスの観点から検討した。高齢ラット及び若年ラットの肝臓において、酸化ストレスの指標であるGSSG/GSHはアルギニン摂取によりフィブリノーゲン濃度と同様な変化を示した。脳において、高齢ラットのGSSG/GSH比はT+A群,E群,A群はC群に比べ有意に低い値であった。高齢ラットの脳においてはアルギニン摂取及び運動は酸化ストレスを軽減させることが明らかとなった。これらの結果からトレーニング及びトレーニング+アルギニン摂取はアルギニン摂取群や対照群に比べ酸化ストレスを軽減させ、血栓生成の予防に役立つことが示唆された。しかし6%濃度のアルギニン摂取は酸化ストレスを亢進させ、血栓を増大させることから、アルギニンを摂取する際には運動を併用すること、あるいは摂取するアルギニンを低濃度に調整する必要があると考えられる。
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Research Products
(2 results)