2011 Fiscal Year Annual Research Report
食事が心拍数、血圧に及ぼす影響 -自律神経活動及び酸化ストレスの検討を含めて-
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22500664
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
塩谷 英之 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (00294231)
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Keywords | 食後低血圧 / 中心血圧 / 心臓自律神経活動 |
Research Abstract |
本年度は食事摂取時間が心拍数、血圧、心臓自律神経活動のB内変動に与える影響について検討した。 (対象並びに方法)若年健常者15名を対象に、1回目の測定として、夕食摂取時間を19時と設定し、10時から24時間心電図記録及び血圧測定(1時間毎)し、得られた心電図RR間隔から1時間ごとの平均HRおよび心臓自律神経活動指標を算出した。同一被験者を対象に、1回目の測定から2週間空けて今度は夕食摂取時間を23時に設定し同様の測定を行い、夕食摂取時間の差異が生体リズムに及ぼす影響を検討した。 (結果)心拍数は夕食摂取時間により有意な差が認められ、23時に摂取した場合、19時に摂取した場合と比較して、夜間睡眠中の心拍数は有意に高値を持続し、翌朝6時においても有意に高値を示した。 副交感神経活動においても差が認められ、23時に摂取した場合、夜間睡眠時の副交感神経活動は19時に摂取した場合に比べて低い傾向があった。同様に夜間睡眠時交感神経活動においては23時に摂取した場合、19時に摂取した場合に比べて高い傾向が認められ、翌朝6時においては有意に高値を示した。 一方で血圧においては夕食摂取時間による変動の差異は認められなかった。 以上の結果より、夕食を遅い時間に摂取することで心拍数、心臓自律神経活動などの生体リズムに変調をきたし、その変調は夜間睡眠時のみならず、翌朝の心拍数増加、交感神経活動の亢進を引き起こすことが明らかになった。 従って食事摂取時間(特に夕食摂取時間)は健康維持のために重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた食事摂取時間が生体リズムに及ぼす影響についてほぼ想定していた有意義な結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)これまでの成果について論文作成を行う。 (2)今後健常人のみでなく、糖尿病患者さんについても食事の心拍数、血圧に対する影響について検討する。
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Research Products
(1 results)