2011 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧の非薬物療法および一次予防を目指した沖縄型食事による介入研究
Project/Area Number |
22500669
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
崎間 敦 琉球大学, 保健管理センター, 准教授 (10325839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
等々力 英美 琉球大学, 医学研究科, 准教授 (60175479)
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Keywords | 高血圧 / 食事介入 / 情報介入 / 食塩 / 生活習慣病 / 行動変容 / 健康増進 / 非薬物療法 |
Research Abstract |
本邦における高血圧者は4,000万人と推定されているので、地域住民、職域、学生を対象とした高血圧予防の啓発活動は、極めて重要である。高血圧の一次予防には生活習慣の修正が重要であるが、その中でも減塩を含めた食事療法が必須である。今まで我々は、本研究の先行研究として沖縄野菜を豊富に使った伝統的料理を現代風にアレンジした食事を提供し、無作為割付介入試験を行っている(チャンプルースタディ)。この一連の研究において、健康な若年女性、中壮年期の日本人および在沖縄米国人に沖縄緑黄色野菜の摂取促進を行う介入研究を行ったところ、尿中カリウム排泄の有意な増加と尿中ナトリウム排泄の低下傾向および血圧の低下を認めた。この介入効果は、米国で高血圧に対する食事療法のひとつであるDASH食と同様の効果を示した。また、同様の対象者において心血管イベント発症の低減の予測因子とされている末梢血液中の血管内皮前駆細胞数が有意に増加することも確認した。これらより、伝統的な沖縄型食事は高血圧に対する非薬物療法の可能性のひとつと考えられる。我々の提案しているチャンプルーダイエットはDASH食よりも歴史的に確立した沖縄食のほうが、工夫次第で若年者や働き盛りの中壮年層にも受け入れやすい利点がある。昨年度はチャンプルーダイエットのレシピ本の改訂を行い、沖縄食介入プログラムを作成した。また、本プロジェクトの予備研究として、学生と教職員に生活習慣修正のプログラムを行った。プログラムの継続率が70%以上であったことを確認している。さらに、学生の食事以外の生活習慣に関する実態についての断面調査も実施した。評価指標としては血圧値や臨床検査値のみではなく、食事や運動などの生活習慣の行動変容も指標に取り入れている。最終年度は、学生および中壮年期を対象として、食事情報介入の有用性について研究の継続を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中壮年を対象とした研究は、参加者の登録を終了し追跡調査中である。方、学生を対象とした研究に関しては、学生の生活習慣に関する予備調査は完了したが、参加者の登録の段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
学生が研究に参加しやすくするため、調査期閣を3ヶ月間に短縮する。さらに、従来の研究参加者募集のポスター掲示や資料配布に加えて、定期的に研究の説明会を設けて参加者の募集を行っていく。
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Research Products
(6 results)