2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変動物や培養細胞を用いたコエンザイムQ10結合蛋白質の生理的意義の解明
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22500681
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
山本 順寛 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (60134475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加柴 美里 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (80338186)
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Keywords | 老化 / 脂質 / 抗酸化物質 / 蛋白質 |
Research Abstract |
ATP産生に不可欠であり抗酸化物質としても重要であるが,加齢とともに細胞内濃度が減少するコエンザイムQ10(CoQ10)が加齢・老化に伴う機能障害の鍵を握る物質の一つとして注目を集めている.脂溶性であるCoQ10の細胞内外への輸送にはその結合蛋白質が必須であり,代表者らは世界で初めてサポシンBがCoQ10結合蛋白質であることを明らかにした(J.Clin.Biochem.Nutr.(2008)42:167-174).遺伝子工学手法によりCoQ結合蛋白質サポシンBをノックダウンまたは高発現させたマウスや動物細胞を用いて,サポシンBの生理的意義や加齢・老化に対する影響を解明することが本研究の目的である. 1,プロサポシンノックアウトマウスを用いたCoQ10結合蛋白質の生理的意義の解明 サポシンBの前駆体であるプロサポシンのノックアウトマウスを解析した.本年度は,引き続きCoQ10添加食を投与したときの各種臓器におけるCoQ10量の解析を行った.結果,ホモ体においては,CoQ投与食添加後の血漿中および臓器中の外因性CoQ量が有意に低下していることを確認した. 2,プロサポシン遺伝子改変培養細胞を用いたCoQ10結合蛋白質の生理機能の解明 すでに樹立したヒト肝癌由来HepG2細胞のプロサポシン高発現株を用いて,細胞内CoQ10量を解析した.高発現株ではCoQ10量が増加していた.シュークロースグラジエント手法を用いて細胞分画をおこない各オルガネラのCoQ10量を比較したところ,ミトコンドリア分画においてCoQ10量の顕著な増加を認めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の研究の目的として(1)プロサポシンノックアウトマウスを用いたCoQ10結合蛋白質の生理的意義の解明と(2)プロサポシン遺伝子改変培養細胞を用いたCoQ10結合蛋白質の生理機能の解明の2点を記載したが,いずれもほぼ計画通りに解析が進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定として,応募書類調書に記載したごとく,ヒト肝癌由来HepG2に加え,ヒト単球由来THP1等のプロサポシンのノックダウン株あるいはプロサポシンを高発現させた細胞株を作製する.さらに,サポシンBに生理作用があることを明らかにするために,サポシンB部位にミュータントを導入した細胞株の作製を試みる.各オルガネラとサイトゾル分画中のCoQ10含量やCoQ10の酸化還元状態の解析も併せて検討したい.
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Effects of coenzyme Q10 on salivary secretion 669-674 (2011)2011
Author(s)
Ryo K, Ito A, Takatori R, Tai Y, Arikawa K, Seido T, Yamada T, Shinpo K, Tamaki Y, Fujii K, Yamamoto Y, Saito I
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Journal Title
Clin Biochem
Volume: 44
Pages: 669-674
DOI
Peer Reviewed
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