2012 Fiscal Year Annual Research Report
周産期医療を組み込んだ子育てハイリスク群支援ネットワークの実践モデルに関する研究
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22500707
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
井上 寿美 関西福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (40412126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹倉 千佳弘 就実短期大学, その他部局等, 教授 (60455045)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 未受診妊産婦 / 関係状況 / 自己肯定感 / 基本的な信頼感 / 虐待傾向 / 主観的事実 / 母親支援 / 子育て支援 |
Research Abstract |
研究成果は次の4点である。従来、妊婦健診未受診妊産婦(以下、未受診妊産婦)は医療モデルとして捉えられていたため、その支援は彼女たちの実態と乖離傾向にあった。したがって研究成果は実行性ある未受診妊産婦支援の構築に寄与すると言える。前者3点は未受診妊産婦に対する支援、後者1点は未受診妊産婦による出生児に対する支援である。 1.未受診妊産婦の6類型(井上・笹倉2011)をさらに精緻なものとし新たに再構成された生活者としての未受診妊産婦の事例を提示した。 2.上記事例について、彼女たちの主観的事実を重視した分析をおこなった結果、未受診妊産婦は、彼女たちの周りにいる人との間で次の6つの関係状況に生きていることがわかった。①助けてもらえない、②応答されていない、③気にかけられていない、④受け入れられていない、⑤継続的につながっていない、⑥護ってもらえない、関係状況である。このことをふまえると、未受診妊産婦問題は彼女たち個人の問題ではなく、彼女たちが生きている関係状況の問題として捉える必要があり、彼女たちへの支援は、関係に働きかける支援である必要性が明らかになった。 3.上記の関係状況が未受診妊産婦に与える影響について検討した結果、彼女たちは、その類型を問わず、自己肯定感が低く、他者に対する基本的な信頼感が希薄であることがわかった。したがって未受診妊産婦支援は、母親支援や子育て支援というよりも、むしろ、彼女たちの自己肯定感と他者に対する基本的な信頼感の回復を、その方向性として有する必要があることが明らかになった。 4.未受診妊産婦に顕在化している社会的リスクについて、西澤 哲による虐待傾向のある母親の特徴を指標として分析をおこなった結果、すべての類型の未受診妊産婦において虐待傾向が認められた。したがって、新生児期は、未受診妊産婦の養育支援者が、常時、彼女たちの傍に存在する必要性が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)