2011 Fiscal Year Annual Research Report
後発酵茶に存在する微生物の産生物と新規機能性成分に関する研究
Project/Area Number |
22500731
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
加藤 みゆき 香川大学, 教育学部, 教授 (70112654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 正司 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (80074920)
長野 宏子 岐阜大学, 教育学部, 教授 (40074984)
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Keywords | 後発酵茶 / 抗酸化性 / 微生物 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度阿波晩茶から分離した微生物のゼラチン分解能について検討した。単離した微生物32種において、ゼラチン分解活性の存在が明らかとなった。中でもゼラチン分解活性の高い菌について、16sRNAにより遺伝子解析を行った結果、Lactobacillus属の一種であることが明らかとなった。一方、昨年度抗酸化性に有効な方法として、DPPH法であることが明らかとなった。それに加えて、リノール酸・β-カロチン分解による測定方法を加えて比較検討を行った。また試料として他の茶との比較検討するため、緑茶(煎茶)・紅茶(2010年度製三番茶)を使用した。緑茶・紅茶は、ポリフェノール含量やアミノ酸含量、アスコルビン酸含量が多く、これらの成分による抗酸化性が強く認められた。しかし、阿波晩茶は、ポリフェノールやアミノ酸、アスコルビン酸等含量は少なく、これらの要因による抗酸化性の可能性が少ないことが明らかとなった。また浸出液を溶媒分画する方法を実施した結果、MIBK層、BuOH層、水層の3画分を検討した結果、アミノ酸が多く存在している水層は抗酸化性が大きいことが明らかとなった。MIBK層は、これらの要素が少ないにもかかわらず抗酸化性の強い成分の存在していることが明らかとなった。その他の後発酵茶として碁石茶に存在する微生物としてGeotrichum bryndzaeの存在を明らかとなった。これはカビの一種であることが認められた。また磁砿Geotrichum bryndzaeの性質についてはC源としてグルコース、N源としてアスパラギン、グルタミン酸が良く資可されていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、後発酵茶の抗酸化性について検討を行い、他の茶(緑茶・紅茶)との抗酸化能を比較した。緑茶に比べて抗酸化能は少なかったが、溶媒分画によりMIBK層に抗酸化性が認められ、この分画を精査した結果、一般に茶に多く含まれると言われているポリフェノールやアスコルビン酸、アミノ酸は認められなかった。また微生物としてゼラチン分解能を産生する微生物について検討した。その結果、カゼイン分解をする微生物が認められ現在その遺伝子解析を行って同定をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
今回抗酸化性が認められたMIBK層について、どのような成分が抗酸化性を示しているのかについて明らかとしたい。その他の新規後発酵茶の成分についても検討を続けてゆきたい。また分離微生物に関しては、ゼラチン分解活性を有している微生物の遺伝子解析による詳細な同定を試みたい。またAPI同定キット等を用いて分離微生物の解析も明らかとしたい。
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Research Products
(4 results)