2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500750
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
花崎 憲子 武庫川女子大学, 短期大学部・食生活学科, 教授 (10228504)
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Keywords | パラチノース / 焼菓子 |
Research Abstract |
非う蝕性の糖質甘味料パラチノース(ICP)は血糖上昇の抑制・内臓脂肪の蓄積抑制・満腹感の高揚などの機能がうたわれているが、焼菓子応用への研究は少ない。パラチノースのクッキーへの添加は砂糖添加と同様、でんぷんの糊化を抑制し、焼成品の砕けやすい物性発現に寄与している。パラチノースはグルテンの溶媒作用を有せず、その結果固い生地となり焼菓子も固めで、甘さも控えめであり幼児の歯がためクッキーとして適していると考える。 平成22年度は小麦粉・糖質・無塩バター・卵の適正配合比について、パラチノースと砂糖の配合比を変えて調製した焼菓子の品質評価および嗜好性の特徴を検討した。パラチノースは砂糖に比してクッキーの生地を固くして伸展性の少ない状態にし、焼成時には横広がりを生ぜず、垂直方向への膨張を大きくした。パラチノースクッキーは破断応力値・破断エネルギー値が大きく、官能評価においても固いと評価された。パラチノースと砂糖の配合比3:2は砂糖クッキーと似た外観を呈し、味・嗜好性の両面からパラチノースクッキーより高い評価を得た。咀嚼時の筋電位測定では、パラチノースクッキーの筋活動量総和、咀嚼回数、咀嚼時間は他に比べ有意に大きく、定速圧縮破断試験や官能評価の結果と一致し、脆さの指標となる咀嚼周期には有意差がなかった。このことより3:2クッキーは、砂糖クッキーと同じようなサクサクした食感を有することが示唆された。
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