2011 Fiscal Year Annual Research Report
大豆イソフラボンのアレルギー予防に関する基盤的研究及び臨床疫学研究への展開
Project/Area Number |
22500760
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
酒井 徹 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40274196)
|
Keywords | 大豆 / イソフラボン / アレルギー |
Research Abstract |
徳島県の勤労者18~60歳735名(男性479名、女性256名)を対象に、食物摂取頻度調査(FFQ)、食習慣・生活習慣・アレルギーに関するアセケート、身体計測を行い、アレルギーの有無と食品群別摂取量および欠食・間食・夜食頻度との関連性について解析を行った。男女別に、正常群とアレルギー群の2群に分け、群間比較を行い、栄養素・食品群別摂取量、欠食・間食・夜食頻度との関連について検討した。男性では、非アレルギーに比しアレルギー群で、肉類の摂取が有意に多いことが認められた(P=0.008)。それに対し女性では、非アレルギー群に比しアレルギー群において栄養素ではビタミンAが有意に多く(P=0.040)、食品群別摂取量豆類の間取量が有意に少ない(P=0.041)ことが分かった。アレルギー性疾患と食事摂取頻度および生活の関係についてロジスティック回帰分析を行った結果、女性において、ビタミンA摂取量の1.0(μy)増加に伴うオッズ比は4.23(95%信頼区間1.095-16.343、P=0.0365)、豆類摂取量の1.0に伴うオッズ比は0.987(95%信頼区間0,977-0.998、P=0.0160)であった。以上のことよ豆類摂取がアレルギー疾患と関わる可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はこれまで動物実験で得られた大豆が有する免疫制御機構に関する知見をさらに掘り下げるために、徳島県において栄養調査を行い、アレルギーとの関連について解析を行った。当初予定していた調査人数よりも少ないが750名程度の血液検査を含めたデーターが収集できた。アレルギー症状を有する者と有さない者との食事要因を比較したところ、アレルギーを有さない者は、有する者に比べて大豆摂取量が多かった。これらの知見をベースとして、今後研究を発展させることが可能と思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度の研究により、大豆製品とアレルギー疾患との関連性に関する知見を得ることができた。今後は、調査対象者の人数を増やし検出パワーを向上させると共に、大豆製品の摂取量調査方法を、食物頻度摂取量作法から大豆製品写真を用いた方法に変更し調査を行い摂取状況調査精度を向上させる。
|