2010 Fiscal Year Annual Research Report
児童・高齢者交流による相互教育力を活かした食教育プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
22500770
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
平本 福子 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (10146920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 己幸 名古屋学芸大学, 大学院・栄養科学研究科, 教授 (60076156)
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Keywords | 食教育 / 世代間交流 / 共食 / 地域ネットワーク |
Research Abstract |
本研究の目的は、児童と高齢者の世代間交流による相互教育力を活かした食教育プログラム(以下、本プログラム)を開発し、その有効性を検証することである。 本年度は初年度であることから、プログラム実施地域における児童館ならびに高齢者支援組織などの協力者との研究目的の共有、諸機関の調整、プログラム実施に関する具体的な検討等の本研究における研究フィールドの基盤構築を行った。また、食教育、世代間交流、共食に関する理論的研究を精査するとともに、予備的なプログラムを計画・実施し、本プログラムの評価指標を検討した。具体的には、プログラムは連続した2日間とし、児童は1日目に(1)食事作り学習、(2)高齢者と間食を共にし、高齢者と食嗜好、趣味等の情報を共有、(3)高齢者と共食する食事の構想、2日目(4)構想した食事を実際に作り、(5)高齢者と共食した。また、比較検討のために児童のみで同様なプログラムを行った。 先行研究を基に試行的な評価項目を設定し、質問紙調査(児童)、インタビュー調査(高齢者)、参加者の発話記録により、本プログラムにおける児童・高齢者の相互教育力の要因とそれらの構造を探索した。その結果、児童が高齢者に食事を作り、食べる世代間交流により、児童では高齢者との共食の楽しさや高齢者への供食意欲を高める等、高齢者では児童との共食の楽しさや日常の食生活の振り返りにつながる等が示唆された。また、異世代間の共食は自己の嗜好への欲求と異世代の嗜好を受け止めたいという欲求の両義性が顕在化しつつ、互いに認め合う関係を通して満足感につながっていくことが推察された。
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