2011 Fiscal Year Annual Research Report
微量元素による老化制御機構の解明-亜鉛ニュートリオミクスの新展開-
Project/Area Number |
22500772
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
横井 克彦 聖徳大学, 人間栄養学部, 教授 (10200883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
許斐 亜紀 愛知学泉大学, 家政学部, 講師 (40529658)
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Keywords | 老化 / 微量元素 / 亜鉛 / プロテオミクス / ニュートリオミクス |
Research Abstract |
2011年3月11日の東日本大震災によって、甚大な人的被害並びに経済的被害を受けたわが国は、少子化並びに高齢化がさらに加速される恐れがある。政府は、具体的な施策として定年退職後の再雇用の義務化を打ち出し、現実の政策としてそれが実行されるに至っている。本研究の目標として掲げた老化制御による健康寿命の延伸と生産年齢の延長が求められる状況が、現実のものとなってしまった。 ヒトの体内では、様々な栄養素が一体となって機能を発現している。ニュートリオームとは、栄養素の機能発現の総体を指す。ニュートリオームには、ゲノム、プロテオーム、メタボローム、フィジオームという段階があり、ニュートリオミクスは、それぞれの段階の系統的解析を目指す新技法である。老化は心身のすべてにわたる現象であり、老化の解明並びに克服法の開発のためには、ニュートートリオミクスによる栄養素総体の系統的解析が必要である。 本研究ではその端緒として、亜鉛欠乏による肝臓中タンパク質の発現と遺伝子の発現の解析を行っている。亜鉛欠乏ラットの特徴を要約すると次の通りである。亜鉛欠乏群のラットには、約3.5日周期の循環性摂餌が見られ、著しい成長障害が認められた。また、皮膚炎や脱毛があり、老化に類似した表現型を示した。亜鉛欠乏群と同量の亜鉛添加飼料を摂取させたペアフェッド群には、成長障害はあるものの皮膚炎や脱毛等は認められなかった。 遺伝子発現量の分析を進めた結果、肝臓中タンパク質量に、有意な群間差が認められた場合であっても、遺伝子発現量には有意差の認められない場合があった。また、遺伝子発現量とタンパク質量に対する亜鉛欠乏の影響が、逆になっている場合もあった。以上のことから、亜鉛欠乏が老化類似の生体変化を起こすメカニズムを解明するためには、遺伝子発現量とタンパク質量の両者を合わせて検討するニュートリオミクスを用いる必要性のあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災後の状況とそれに引き続く節電に伴い、プラズマ質量分析装置を運転することが困難となり、また、節電に伴う結露によって装置が故障し、修理するまで時間がかかってしまった。そのため、今年度は主に遺伝子発現量の解析を行い、プラズマ質量分析装置を用いた亜鉛結合タンパク質の分析は、次年度に引き続き実施することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
上記にも述べたように、プラズマ質量分析装置を用いた亜鉛結合タンパク質の分析は次年度に引き続き実施することとした。
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Research Products
(5 results)