2012 Fiscal Year Annual Research Report
微量元素による老化制御機構の解明-亜鉛ニュートリオミクスの新展開-
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22500772
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
横井 克彦 聖徳大学, 人間栄養学部, 教授 (10200883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
許斐 亜紀 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 講師 (40529658)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 老化 / 微量元素 / 亜鉛 / プロテオミクス / ニュートリオミクス |
Research Abstract |
わが国の栄養摂取状況が低下しており、その栄養素の欠乏が老化促進の要因となっているならば、当該栄養素の補充によって老化の制御が可能となる。国民・健康栄養調査の結果を解析したところ、成人の約60%の亜鉛摂取量は、推定平均必要量を下回っており、文献調査から得たメタ解析の結果もこれを支持するものであった。また、亜鉛欠乏と併発しやすい鉄欠乏について解析したところ、20代の女性では、鉄枯渇の者が概ね45~65%程度、貧血の者も概ね10~20%であった。また、各種調査の結果もこれを支持していた。以上のことから、亜鉛および鉄の摂取不足のあることが明らかである。 亜鉛欠乏ラットには、皮膚炎や脱毛があり、老化に類似した表現型を示していた。後腹膜脂肪の比体重は、対照群とペアフェッド群の間に差はなく、亜鉛欠乏群だけに著しい低下が認められた。肝臓中の亜鉛結合タンパク質であるメタロチオネインは、対照群とペアフェッド群の間に差はなく、亜鉛欠乏群のみが著しく低下していた。メタロチオネインはSH基に富んでいる内因性の抗酸化物質であることを考慮すると、亜鉛欠乏により引き起こされるメタロチオネインの低下が老化を促進する要因となることが示唆された。亜鉛欠乏で肝臓中の発現量が変化したタンパク質の中には細胞分化に関連するものが認められた。 ビタミンB6の栄養指標である血漿中PLP濃度は、ビタミンB6単独欠乏飼料またはビタミンB6欠乏/亜鉛欠乏飼料で飼育したラットでは対照群に比べ低下していたが、亜鉛単独欠乏では大きな変化は見られなかった。また、鉄欠乏ラットでは血漿および肝臓中脂質異常が認められ、老化に伴う脂質異常症の発生に鉄欠乏が関与している可能性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)