2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500788
|
Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
福田 滿 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (90098517)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 麻貴 (田中 麻貴) 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助手 (70550789)
|
Keywords | 大豆 / ヨーグルト / 乳酸発酵 / イソフラボン / 炎症性サイトカイン / ポリアミン / 脂肪組織 / ラット |
Research Abstract |
血中炎症性サイトカイン増加は動脈硬化による心疾患等の循環器系疾患の原因になっている。大豆食品に含まれる機能性成分には心疾患予防効果があることが知られているので、乳酸発酵させた大豆ヨーグルトの生理作用に注目し、大豆ヨーグルト摂取時の炎症性サイトカイン低減化 効果を調べている。大豆ヨーグルト摂取時に血中イソフラボン濃度およびポリアミン濃度の上昇傾向があり、これらの機能性成分は動脈硬化予防に関与すると推定されるので、生体内挙動を調べたところ、大豆ヨーグルト投与時の血中ポリアミン濃度は、弱年ラットでは顕著な増加が認められないが、成熟ラットで有意な増加が認められFood Science and Technology Research,第18巻第1号,115-118,2012年に研究成果を掲載した。 血中炎症性サイトカインの低減化効果に及ぼすイソフラボンの作用を明らかにするために、従来の通常食投与ラットだけでなく、高脂肪食または高脂肪高コレステロール食を投与したラットに大豆ヨーグルトを摂取させた時の血中炎症性サイトカインの低減化効果を調べた。血中イソフラボン濃度だけでなく、肝臓などの臓器内イソフラボン分布を調べたところ、胚臓イソフラボン組成は血中イソフラボン組成と異なることを認めた。肝臓にはダイゼインの代謝物であるエクオールが蓄積していることが明らかになり、脂質代謝改善作用に関与すると推定された。 高脂肪食投与ラットに比べて高脂肪高コレステロール食投与ラットの方が大豆ヨーグルト摂取による内臓脂肪増加抑制効果が大きく、血中TNF-α上昇抑制作用も顕著であり、内臓脂肪のTNF-α遺伝子発現抑制作用も高脂肪高コレステロール食投与ラットの方が顕著であった。環在、内臓脂肪組織内のTNF-α遺伝子発現までのシグナル伝達メカニズムを調べている。当該メカニズムは次年度以降に解明する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大豆ヨーグルト摂取によるイソフラボンとポリアミンの生体内挙動を明らかにし、炎症性サイトカインの上昇抑制が血中イソフラボンの吸収と関係すると推定するに至った。脂肪組織の炎症性サイトカイン産生抑制メカニズムの解明に、高脂肪高コレステロール食摂取条件が適していることを認めたが、豆乳ヨーグルト摂取による脂肪組織の炎症性サイトカイン抑制メカニズムの解析中であり、次年度には解明する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
高脂肪高コレステロール食投与ラットで内臓脂肪組織が顕著に増加し、大豆ヨーグルト摂取によって脂肪組織の増加が抑制され、TNF-α遺伝子発現も抑制されているので、高脂肪高コレステロール食投与ラットをモデルとして、大豆ヨーグルト摂取による内臓脂肪組織のTNF-α等の炎症性サイトカイン産生抑制メカニズムを解明する。
|