2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規開発「低エネルギーかさ高食」と味覚物質の便秘、肥満、糖尿病への治療応用
Project/Area Number |
22500792
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
森山 耕成 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (10265275)
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Keywords | エネルギー制限食 / 糖尿病 / 肥満 / 便秘 / 味覚 / 受容体 / 献立 |
Research Abstract |
満腹感や容積について考慮され、具体的な献立が公開されたエネルギー制限食の報文やガイドラインは少ない。糖尿病や肥満を対象とした市販の1400kcal食と1600kcal食の献立集各3冊の栄養価を「五訂増補日本食品成分表」にもとづき算出した。献立集ごとの平均値を「日本人の食事摂取基準2010年版」および「平成20年度国民健康・栄養調査結果の概要」の40才代男女の値と比較した。6冊には3~15日分の献立が収載されていた。1冊は栄養成分の記述がなく、マンガンと必須脂肪酸はいずれにも記載されていなかった。算出エネルギー量は記載値の-41~+11 kcalであった。飽和脂肪酸と食塩相当量は目標量や国民栄養調査結果よりも過剰な献立集があった。n-3系不飽和脂肪酸、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、ビタミンAは、推奨量、推定平均必要量あるいは目安量を満たさない献立集があった。サプリメントを使用しないエネルギー制限食の設計の難しさが再認識された。 私達は、低エネルギーでありながら常食(1900kcal/日)と同等の満腹感が得られる献立を試作した。蛋白質は60g/日を確保し、食材だけでのビタミン、ミネラルの充足を条件とした。複数の献立を試算し、野菜の増量と玄米の活用により1200kcal(20kcal/kg標準体重)までの減量であれば朝食15種、昼夕75種の食事設計が可能であった。これを下回るエネルギー量では日常食としての献立は困難であった。1200kcal食では、月4回の行事食、麺類、カレーを常食と同じものにしても月間エネルギーの増加は1%以下であった。統合失調症による長期入院中の肥満患者で間食を制限せず、この食事の効果を検討した。その結果、1年後に有意な減量効果が得られ更に1年後の有意なリバウンドはなかった。
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Research Products
(6 results)