2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500811
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
秋山 演亮 和歌山大学, 宇宙教育研究所, 特任教授 (50375226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾久土 正己 和歌山大学, 観光学部, 教授 (90362855)
藤垣 元治 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (40273875)
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Keywords | 工学教育 / 成層圏 / バルーン / プロジェクト教育 |
Research Abstract |
学生プロジェクトにおいては学生チームがノウハウを蓄積することが重要であり、徐々に技術的なレベルを上げていくことが求められる。そこで本研究では昨年度に引き続き、比較的実現が容易いゴムバルーンによる成層圏での撮影を、フェーズ1における課題として実施を試みた。直径60cm程度のバルーンに1~2kgの計測機器(動画撮影装置、GPS、データ処理用マイコン、無線機)を搭載し、1時間半程度で高度30km以上まで上昇させた後、パラシュートにて降下、機器を回収させることを第一の目的とした。バルーンは偏西風により、水平方向にも大きく流れるが、バルーンの位置はGPSデータを無線通信することによりリアルタイムに把握することができた。また事前のフライト予測として、ケンブリッジ大で公開されているスクリプトを利用するなどして、適切な予測を行う事が出来た。これらの放球実験を通じて、学生達にプロジェクトを計画させ、実現させる過程を体験させることにより、実践的なプロジェクトマネジメント教育が行う事が出来た。また本年度はバルーンが予定よりも早く破裂したため予定高度に達せず、予定の飛行距離が得られなかったため回収に断念した。しかしバルーンが創機に破裂した原因が放球前のバルーン保持方法にある事を推測することが出来たため、来年度以降の実験に対して対策を検討することが出来た。またバルーンサットからの位置情報の送信に関しては完全に成功を収めることが出来、来年度の最終実験に望むための足がかりを得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バルーンサットの放球に関しては当初予定よりも未知な部分が多かったため、実験の準備に手間取ったために今年度の予定であった外部観測の達成、回収手法の確立が出来たとは言いづらい。しかし今回、失敗を通じて放球手法に関しては問題点を洗い出すことが出来たため、来年度の実験で計画を軌道に乗せることが出来ると考えられる。、また一方で成層圏における数時間にわたるバルーン停留に関しては、バルーンの物理特性の問題から困難であることがわかった。しかし来年度に予定していた自律機器の長時間運用に関しては今年度に既に成功しており、その点では計画は予定以上に進展している。そのため、全体としては計画はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
バルーンの成層圏での数時間にわたる停留は物理的に困難であることがわかった。そこで停留できる1時間弱の間で、様々な情報収集が出来るような観測システムを構築することで、問題を解決することとしたい。来年度は最終年度となるため、当初掲げていたバルーンサットとしての実験環境を確立することに務め、再来年度以降にこのシステムを使った新しい実験や教育プログラムを策定していきたい。
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